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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
黒と白そして青
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けてくる。

「……キリト君が素直にお礼を言うなんて。明日は珍しく雨が降るわね」

「どういうことだよ……」

若干失礼な事を言われた気がしたが、これからご馳走になる相手にこれ以上の追求もしづらいので、おとなしくしておくことにする。
そのやり取りを聞いて、トーヤのくすくす笑いが耳に入ってきた。
それから、ようやくアスナの手から開放された時には、転移ゲートはもうすでに目と鼻の先にあった。





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





暗い場所から、俺はそいつらのやりとりを、ずっと見ていた。

−−いいぞ。うまくいっている。

監視を続ければ、トッププレイヤーの≪黒の剣士≫にKoB副団長である≪閃光≫の関係、その実力を知る事ができる。
このまま事がうまく運んでくれれば、俺の目的はまた前進する。

−−もう少し……もう少しだ。

だがこれはまだ途中にすぎない。計画は始まったばかり。
すべての舞台が整うまで、もう少し時間がかかる。
思わず、顔に笑みが貼りついてしまう。心の中ではドロドロした怒りと憎悪が湧き出すが、先の事を考えると笑わずにはいられない。
やっと、やっと先に進めるのだから。
そのために、今はまだあいつらに見つかるわけにはいかない。しばらくは現場を維持して行こう。
それに、そばにいたあのプレイヤーも使えそうだ。

ーー待っていろ、茅場 晶彦。その時がきたら必ず……コロシテヤル。

俺は再び息を潜め、奴らが転移ゲートに入るのを密かに眺めていた。





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