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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
黒と白そして青
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!」
ビーターとは、≪ベータテスター≫に、ズルをする奴を指す≪チーター≫を掛け合わせた、SAO独自の蔑称である。聞き慣れた悪馬だが、何度言われてもその言葉は俺に一定の痛みをもたらす。
「ああ、そうだ」
俺が無表情に肯定すると、男は勢いづいて言い募った。
「アスナ様、こいつら自分さえよけりゃいい連中ですよ! こんな奴と関わるとろくなことがないんだ!」
今まで平成を保っていたアスナの眉根が不愉快そうに寄せられる。いつの間にか周囲には野次馬の人垣ができ、≪KoB≫≪アスナ≫という単語が聞き漏れてくる。
何かを堪えていたようなアスナが口を開きかけた時、別の人物が声を張り上げた。
「ベータテスターだからって、なんなんですか!?」
「なにぃ……?」
その人物ーートーヤを睨む男の眼の色に血の色が混じり出す。
しかしそれにひるんだ様子もなく、マフラーの少年は言葉を連ねた。
「アンタが元ベータテスターに何かされたかどうかなんて知りませんけど、キリトさんは違います。この人は、ちゃんと他人を助けられる人です!」
今日あったばかりの奴の、初めて見る表情。イメージのギャップもあるからか、それがかなり衝撃的で俺はしばらく絶句していた。
怒りをあらわにしたトーヤは、まっすぐに男の眼光を受け止める。
「この……生意気な雑魚がぁ……!」
それが怒りに触れたのか、男の右手が少し掲げられる。
何をしようとしているのかに感づいたアスナが、トーヤと男の間に割ってはいる。
「ともかく今日はここで帰りなさい。副団長として命令します」
ぴしゃりと言いつけ、右手でトーヤの肩を押し、左手で俺のコートの後ろのベルトを掴んだ。そのままぐいぐいと押して、そして引きずりながら、ゲート広場へと足を向ける。
「お……おいおい。いいのか?」
「いいんです!」
まあ、俺には否やのあろうはずもない。二人の護衛と、いまだに残念そうな顔のエギルを残して俺たちは人ごみの隙間に紛れるように歩き出した。ちらりと振り返ると、突っ立ったままこちらを睨むクラディールという男の険悪な表情が、残像のように俺の視界に貼りついた。
「……ス、スイマセン。なんか、余計な事したみたいです……」
申し訳なさそうに、肩を押されたまま歩くトーヤが言った。
表情はよく見えないが、その声音から暗い表情をしているような気がした。
「気にしないでいいよ。キリト君が絡まれる事なんて、しょっちゅうあるんだから」
「しょっちゅうはねぇよ。……でもまあ、ああいうのには慣れてるから、別に構わないさ。それと……まあ、ありがとうな」
「え?」
以外そうにこちらを振り返るトーヤに、俺は気楽に笑いかけた。
そこに、アスナ間でもが丸い眼を向
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