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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
黒と白そして青
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聞いて驚きなさい、先週に≪完全習得(コンプリート)≫したわ」
「なぬっ!?」
「こ、コンプ!?」
俺とトーヤ、ふたり同時に驚きの声が出てしまう。
スキルの熟練度は経験値によって上昇してゆくレベルとは別のもので、スキルを使用する度に遅々とした速度で上昇するのだ。
つまりこの女は途方もないほどの時間と情熱を、戦闘の役に立たないスキルにつぎ込んだわけだ。
「……その腕を見込んで頼みがある。トーヤ」
ようやく我に帰ったらしいトーヤは俺の意図を察したのか、アイテムウインドウを可視モードにして俺たちの前に示した。
俺のほうもアスナに手招きして見てみるよううながす。
初対面のプレイヤーのものということもあってかいぶかしげに覗き込んだアスナは、表示されているアイテム名を一瞥するや眼を丸くした。
「うわっ!! こ……これ、S級食材!?」
「取り引きだ。こいつを料理してくれたら一口食わせてやる」
トーヤにはこのアイテムの処遇は任されているので、ここは俺の食欲を優先させる。
しかし言い終わらないうちに≪閃光≫アスナの右手が俺の胸倉をがっしと掴んだ。そのまま顔を数センチの距離までぐいと寄せると、
「は・ん・ぶ・ん?」
思わぬ不意打ちにドギマギした俺は思わず頷きそうになってしまうが、はっと我に返って首を横に振る。
「い、いやダメだ。俺だけのアイテムじゃないんだよ」
そこでやっと、アスナがその少年剣士に興味を示したようだ。
「えっと……。君は?」
「は、はい! トーヤです、よろしくお願いします!」
首をかしげるアスナに、カチカチに固まった声で答えるトーヤ。
もしかしたら、俺だけでなくアスナのファンでもあったのかもしれない。
「ラグー・ラビットを仕留めたのはそいつ。だからそいつのものでもあるんだよ」
「えっ? ……キリト君、この子とパーティ組んでるの!?」
「組んでない。帰り道案内しただけ」
さっきも同じようなことをエギルとしたな。俺がパーティ組んで行動してたらそんなに珍しいか。いや、そう思われても仕方ないっていう自覚はあるけど。
「そうね……。それじゃあ、三分の一ね。それだけくれたらやってあげる」
再びぐいっと俺の胸倉を引っ張るアスナに、今度こそ頷いてしまった。
彼女は空いてる左手でやったと手を握る。
眼を輝かせたトーヤがウインドウを閉じたのを確認すると、振り向いてエギルの何か言いたげな顔を見上げる。
「悪いな、そんな訳で取り引きは中止だ」
「すいません。また今度お世話になりますね」
「いや、それはいいけどよ……。なあ、キリト。オレたちダチだよな? な? オレにも味見くらい……」
「感想文を八百文字以内で書いてきてやる
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