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とある科学の対能力者
その後
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ケーキつきだった。
因みに白いパーカーはサイズがあっておらずダボダボだった。






「ほぅ、ではあなたがキラーの言っていた青髪の女ってことですね?いやぁ良かったあなたがシャバの空気が吸えそうで何よりです。この機会にどうです?キラーも洗いませんか?」

「アホか収入源なくなっちまうだろーが」

珈琲を一口含む。
相変わらず旨い、さすが喫茶店のマスターと言ったところか。
女の方を見ると一心不乱にシフォンケーキを口一杯に頬張っていた。リスみてぇ
そんな可愛いもんじゃ――可愛いです、はい
何だこの女、空気共鳴以外にも読心能力(サイコメトリー)でも使えるのか畜生。
右手に圧縮した空気をチラつかせる女を睨みつながらシフォンケーキの最後の一口を食べた。

「そうそう、ところであなたのお名前は?」

蓮財は何かの資料を眺めながらペン片手にそう言った。

「名前なんてねーですよ。と言うか知らねーです。識別番号ならありがりますけど」

そう、言った。
名前がない。
と言うことはこいつは親から名前を教えてもらう前、つまりそんな小さなころからアソコにいたということになる。
そして今までずっとアソコで仕打ちを受けていた。心の傷など数えきれないほど有るだろう。
それこそ今のオレにある体の傷より深いものばかりが。

「それは困りましたね、戸籍をつくるためには名前が必要なんですが……そうだキラーあなたが名前つけてください。」

表面上はそうでもないが蓮財は悲しげな目をしていた。

――って

「オレが名前をつけるだァ?」

「はい、キラーが連れてきたのだから当たり前です。お嬢さんもそれで構いませんよね?」

「それでいーです」

断れよ畜生。
名前つけるとかそんな大事なことオレが出来るわけがないふざけるのは顔だけにしやがれ蓮財。
と、言いたいところだが何か女がキラキラした目で見てくるのでやめた。
畜生……こいつの過去考えたら断れねぇ…畜生ぉ………
あ、いや、まてよ今凄く良い名前を思い付いた

「これでどうだ?」

オレは立ち上がり言う。
蓮財も女も期待の満ちた目でオレを見ていた。

「今日からお前は――――ポチだ。」


ドゴッ

不吉な音と共にオレは床にめり込んだ。
何故だ意味がわからん。
起き上がると蓮財は「やれやれ」と言った感じでオレを見、女は虫を見るような目でオレを見ていた。

「次変な名前にしやがったらミンチです。」

洒落になんねーよお前が言うと。
と言ってもポチがオレの中で最高の名前だったので他に思いつくことなど出来なかったので適当に名前をつけてみた。

「鈴」

「キラーにしてはまともですね」

「ま、まぁコレならいーです
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