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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
集結準備
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が後にセシリアが受領予定のISだ。

「この現状で新鋭機体なんて出して見なさい。あっという間に世界から吊るし上げられるわ。今回の目的はあくまで米国への牽制なんだから。ウチの最新鋭はセシリアとジェーンのIS。そういうことよ」

「は、ではそのように伝えます」

「うん、よろしくね」

 ジェーンがそれを伝えるために部屋を出るのを確認してからヴィクトリアはため息をつく。

「そう、それに使いこなせない機体を出してもね……」

 8月15日まで、あと5日。場所は……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あのさ」

 『ジョージ・ワシントンU』甲板上には2人の代表候補生の姿がある。その一人のエリスが声を発した。

「何だ」

 もう一人の代表候補、ジーナが少し苛立ったように答える。

「なんでウチラが直接?」

「知るか。そんなもん上に聞け」

 今日だけで既に5回目の質問にジーナはぶっきらぼうに答える。
 米国の参加が許されたISはたった6機。後見人で国家代表のイーリス・コーリングが乗艦しているが、基本的にはオブサーバーであり部隊運用に口出しは出来ない。それがエリスには不満でならないのだ。

「何言ってるのよ。軍用ISの開発については代表候補レベルじゃ説明できないでしょ。少しは考えなさいよ」

 その2人の問答に今しがた艦橋から出てきたソフィアが呆れたように声を掛けた。そのトゲのある言葉にエリスが右手の拳を握らせながら引きつらせた笑顔を向ける。

「おい、喧嘩売ってるのか? 喧嘩売ってるだろ。おい、表出ろ」

「表も何もここは甲板だアホ」

 ジーナの揚げ足を取った言葉にエリスが顔を向けるが、ジーナは明後日の方向を向いて軽い口笛を吹いている。

「喧嘩は止めなさいよ」

「うっさい優等生」

「何よ」

「何だ」

 喧嘩するほど仲がいいとはよく言うが代表候補生レベルともなるとそうは言っていられない。が、それを止められるのはこの場にいない。何せ3人が3人とも一騎当千の猛者だ。下手に止めようものなら甲板から海に投げ込まれても文句は言えない。そのため甲板要員の船員達は遠くから嵐が過ぎ去るのを見ていることしか出来ない。

「おい、何してんだテメエら」

 今にも殴り合いが始まりそうな雰囲気を止めたのは、乱暴な女性の声だった。
 その声に3人の姿勢が直立不動になる。

「こ、これはコーリング中佐!」

 3人が声の方へ振り返ると、そこには軍服の胸元を大きく開け肌を見せている女性が立っていた。噂のアメリカ国家代表の一人、イーリス・コーリングその人である。

「まさかこんな時期に喧嘩なんてしてんじゃねえだろ
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