集結準備
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」
「自業自得だ」
時、8月10日……期日まで残り、5日。
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「それで、そちらの状況は?」
イギリス、ロンドン
『IS配備特殊部隊のISと監督役として私が同行する。我が国はVTシステムの一件があるからな。自由には動けんさ』
ヴィクトリアの目の前の二つのディスプレイにはドイツのロベルティーネとイタリアのフィオナの顔が映し出されている。今は5回目の秘密裏の会議だ。3人ともこの内容は誰にも聞かせないし喋らない。ただし決まったことはEUの総意としてそれぞれの国の代表に話を通す。
つまりはここがEUの方針を実質的に決める場なのである。
『こっちは一応何隻か出せるらしいぞ。まあ参加する操縦者は私とユリアだけだけど』
利用するのは国際連合安全保障理事会決議1540。略称UNSCR1540と呼ばれる大量破壊兵器拡散抑止のための方策を定める決議だ。元々核兵器や生物兵器などの大量破壊、殺害兵器の拡散抑止の為に定められて物で、ISが世界に公表されるや否やIS条約についで改訂がなされた。
ISの暴走なんてものを許せば核兵器以上の脅威が世界に晒されることを大いにアピールできる。
それこそ米国が相手であろうと、だ。だがそれはEU全体にも返しで言われることではあるだろうが…
「まあこの際参加人数はいいの。どうせイギリスだってIS操縦者は私を含めて3人よ。しかも私は参加できないし……今重要なのは参加国の数よ。問題があろうとなかろうと……いえ、むしろ当事者だからこそフランスもドイツも参加させるからそのつもりで」
だがそれも数が揃わなければ意味がない。超大国であるが故にEU全体が一丸とならなければならないのだからこれがまた難しい。EU内部でさえ様々なIS企業が切磋琢磨し、競争し消え行く時勢だ。そんな中外部に対して攻勢をかけるのが如何に難しいと言うのはこの場の全員が理解している。
しかし米国からの追求がある以上、攻撃されているのに仕返さない国は無い。ただ滅びるのを待つのは暗愚のすることだ。
ヴィクトリアは残念そうに肩をすくめる。今回は委員会からのお達しで『ブリュンヒルデ』としての参加だ。こんな状況でもEU贔屓は一切出来ず、仲介役に徹することになるだろう。
そのことを考えると自分の立場で世界大会優勝をしたのは間違いだったかもしれない。何せ決勝戦が不戦勝でさえなければ、ヴィクトリア自身前優勝者(千冬)に勝てた気はしないのである。
『そんなことは言われずとも分かっている。では期日どおり、向こうで』
『あいあい、向こうでな』
「ええ、向こうで」
その言葉で通信が切れ、部屋の中を一瞬だけ静寂が包む。その
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