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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十五話 人を突き動かすもの
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られると拙い。司令長官に権力が集中していると思われるのはよくないからな。卿も口外するなよ」
「はい」
ヴェンデルが頷くと俺もウンウンというように頷いた。
「それで、司令長官は私の報告に疑わしい所が有る、そう御考えなのでしょうか」
不安そうな声だな、俺を窺う様な目で見ている。ここは敢えて能天気な声を出した方が良いだろう。
「おいおい、勘違いするな、そうじゃないさ。卿からの報告は既にヴァレンシュタイン司令長官に報告済みだ。地球に関しては問題無しという事で閣下も納得している」
「では一体……」
「さっき別件で司令長官に会ったのだがな、その時地球というのはどういうところなのかと司令長官が言いだしたんだ。それでな、卿の事を話したところ会って話を聞きたいということでな」
「……」
悩んでいるな、本当かどうか判断しかねている、そんなところだな。よしよし、ここはちょっと情に訴えてみるか。
「公私のけじめはきっちり付ける人だから普通はそんな事は言わないんだがな……。まあ司令長官は俺と士官学校で同期生だからだろう。そんな事を言いだしたようだ……」
「……そうですか」
まだ納得はしていないな、もう一押し。今度はちょっと沈痛な表情をした方が良いな。
「それに、少し疲れているようだ」
「疲れている?」
「ああ、軍の他に辺境の開発、それに汚職の摘発と休む間もなく働いている。疲れもするさ」
「そうですね」
多少は信じたか……。
「まあ気晴らしになれば、そう思ってな。卿にとっては不本意かもしれんが司令長官と知り合いになっておくのは悪い事じゃない。どうかな、無理強いはしないが」
「……分かりました、お会いします」
「そうか、じゃあ六月十日だ。俺と一緒に宇宙艦隊司令部に行こう、空けておいてくれ」
「十日ですか、随分と先ですが……」
「中々纏まった時間が取れんのさ。時間は朝十時、午前中一杯だ。場合によっては昼食も一緒に取るかもしれん、楽しみだな」
「はい……」
ヴェンデルを置いて先に会議室を出た。ヴェンデルが会議室を出てきたのは俺が出た一分半後だった。表情には困惑が有る。普通なら帝国最大の実力者と会える、出世の切っ掛けになるかもと興奮、或いは不安を表すはずだが……。さて、ヴェンデル、どう動く……。
帝国暦 489年 5月 31日 オーディン ミュッケンベルガー邸 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
「この間、メルカッツが士官学校で講話をしたそうだな」
「ええ、元々は私に来たものですが、そういうのは年長者の方が経験も豊富で上手だと思いましたのでメルカッツ提督を推薦しました。確か三月の半ばに行ったはずですが……」
「なるほど」
義父が二度、三度と頷いている。食事が終わり居間で義父とユス
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