第一部第二章 銀河の群星その四
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して」
声が普段よりも真摯なものとなっている。
「なんでしょうか」
八条は尋ねた。勘が彼に警告していた。
「今からそちらにお伺いしてよろしいでしょうか」
「いえ、それは」
八条はそれをやんわりと拒絶した。
「閣下は大事なお身体です。何かあっては大変なことになります。私がお伺いしましょう」
「そうですか。それではお願いします」
彼はそう言うと電話を切った。八条は携帯を直すと背広に着替えた。
「さて、一体何の用件か」
彼は着替え終えるとホテルの扉を開けた。そこは私服の警備員達がいた。
「済まない、今から大統領官邸に戻る。何人かついてきてくれないか」
「わかりました」
その中から二人やって来た。彼等の中でも特に腕の立つ者達である。
八条はこっそりとホテルを出た。従業員達にも気付かれることなく裏口から出てそれからタクシーを拾って官邸に向かった。
「わかりました」
運転手はそれに応えるとタクシーを官邸に向かわせた。十分程して到着した。
タクシーを降りた。そして官邸に入る。
「お待ちしておりました」
見れば警護兵は大統領が常に側に置いている者達だ。そして大統領の首席補佐官が彼を出迎えた。それだけ見てもかなりの用心をしていることがわかる。
補佐官に案内され官邸に入る。そして大統領の私室に案内された。
「よろしいのですか?」
八条は補佐官に尋ねた。幾ら何でも大統領の私室に入ることは躊躇いがあった。
「はい、大統領からの直接の指示ですから」
補佐官はそう答えた。彼はその言葉を聞いて警戒をさらに強めた。
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