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故郷は青き星
第十八話
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……司令長官と副司令長官にも話をしてもらっても構わないな?』
 ガッパー少将は、暫し迷った末に、もっともな言葉を口にしつつ、決断を上司にたらいまわしにする事に決めた。「自分の手には余る」それが彼の偽らない本心だった。

『はい』
 ガッパー少将にエルシャンがそう答えて1分足らず。
『182ってどういうことだ!?』
 どう見てもオカメインコにしか見えない方面軍司令長官、マリキ・ラダイ大将の冠羽を大きく逆立てた顔が画面上に甲高い声と共にアップで現れる。
 フルント星が引きこもり政策をとっていた為に、余り異星種族とかかわる機会の少なかったエルシャンにとって司令長官のアップはインパクトが強かった。
 ちなみに副司令長官のコントバルやガッパー少将に関しては、フルント人よりもずっと地球人類に近い容姿であり、こんなの地球に連れて行って宇宙人だと名乗らせても鼻で笑われるなどと失礼な事を考えていた。
『詳しく話を聞かせてもらおう!』
 司令長官の顔の横に、これまたアップで副司令長官の顔が映るり役者が揃った。

『そうか、彼等6人が地球人としてはかなり高い能力を持つ個体だとしても、この数値は異常だ。種全体としてもフルント人を上回る可能性が高いと准将は考えているわけだな』
『はい』
『それに僅か1つの母星だけで80億を超える人口か……准将。地球社会に関する可能な限り詳しい情報をまとめて提出してくれ。連盟上層部に私から報告を入れる。それから決定ではないが、連盟本部から何ヶ月もかけて正式な公使を送る時間的な余裕は無いので必然的に君が地球との交渉を行う事となるだろうから、そのつもりで居てくれ』
 ラダイ司令長官の胸の中では、地球と交渉を行い何としても連盟に加盟してもらう事は既に決定事項だった。もし連盟政府がグダグダ抜かすなら連盟議会に乗り込んでクーデターを起す覚悟もしていた。エルシャンが持ってきた地球の話は、彼にとって最後の希望であり、対【敵性体】戦争に地球を参戦させる事を邪魔する者には敵行為と断罪して社会的にも物理的にも葬り去るべきだと思い込むほど追い詰められていたのだった。
『了解です』
 しかし、それは連盟上層部も同じ事であり、前星間文明種の独自の発展が銀河にとっての多様性と発展に繋がるという理念は、とりあえず脇に退かされて地球の連盟加盟と対【敵性体】戦争への参加に向けた交渉許可が下りるまでに24時間を待つ事は無かった。

『おお、連盟も形振り構わない大盤振る舞いな条件出してきたな……』
 地球との交渉を任されたエルシャンは方面軍司令部を通して送られてきたファイルを読みながら笑みを浮かべる。

 交渉の第一段階で提示する地球への利益供与の条件は、エネルギー技術(核融合)・食糧生産技術・宇宙開発技術および、現在地球で研究が進められている技
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