追想〜審判の騎士対笑う棺桶〜
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「らあぁっ!」
俺が振るった短剣が相対する大剣使いの肩と脇腹を抉り、HPゲージをゼロにした。何事かを呟いた後、ガラス塊を砕くような不快な音を撒き散らし、この世界から永久退場する。彼の最期の言葉・・・・・・・聞こえなくて良かった。覚悟して剣を振るってはいるが、敵が死に際に放つ怨み言など聞かないに越したことはない。
「どれだけいやがるんだこの変態レッド共・・・・・・・・!」
笑う棺桶本部。攻略の済んだ洋館型ダンジョンを大工系統のスキルを持つプレイヤーにフルで改造させ、ここを一種の秘密基地にしていた。手の掛かる事ではあるが・・・・・・・・この手の建物は攻める側として非常に厄介だ。中に入るまで違和感など存在しないし、地の利を活かしてすぐに敵を仕留める事が出来る。守るに易く攻めるに難い、理想的な建物だった。
ワーワーと際限無く聞こえる怒号。他のメンバーを大広間に残し、俺達はPoH達の居場所を捜していた。時折飛び出して来るラフコフメンバーをキリトの片手剣と俺の滅殺剣で消しながら進むと、奥に巨大な門が現れる。間違い無い、この悪趣味な装飾は間違い無くPoH達ラフコフ幹部の趣味だ・・・・・・・!
「よう御三方。審判の時だ・・・・・・・大人しく裁かれろ」
「ほぅ、随分刺激的なお客様だと思えば、オレンジ殺しのラダマンテュス様じゃねぇか。いいぜ、ザザ、ジョニー、お前らはそっちの黒いやつの相手でもするか大広間の方々を歓迎してやれ。」
そう言われた二人の内、ズタ袋を被ったナイフ使いは後ろの階段へ走って行き、骸骨の仮面を着けた針剣(エストック)使いがキリトと相対した。
「イッツ・ショウ・タイム」
「フィーバータイムのスタートだ」
俺達は彼らの存在を全力で消し去ろうと、PoH達に突貫した。
「先手必勝!」
ラッパーのように英語混じりな話し方をするPoHにしては珍しく古風な掛け声で友切包丁(メイト・チョッパー)を振るう。刀身は光を纏っていない・・・・・・・つまり、ソードスキルを使わずにこの速さ!
「どおおっ!」
右から左へ走る横薙ぎの一撃を辛うじて避け、両手の短剣を振るう。奴はソードスキルを使っていないのに対し、此方の剣はどちらも紅蓮の光を帯びている。滅殺剣四連撃<ストローク・グエイス>。順手に握った状態で二撃、両方共に逆手に持ち換え二撃。一撃一撃の攻撃が重く、硬直時間も短い優秀な連続技だ。
「良い攻撃だ・・・・・・・・だが少し軽いぜボーイ!」
最初の突きと斜め斬りの最小限のステップで避け、逆手での斬り上げを弾く。流れるように体勢を整え、ソードスキルのモーションをとる。刀身が眩い銀色の光に包まれる・・・・・・・・ここまでに掛かった時間、僅か一秒。だがその一秒で硬直から解放された俺は、そのまま左半身
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ