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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第二話「侵入者」
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途端に目眩に襲われた。なんとか身をよじって何者かの手の中から脱出する。
「侵入者、か……?」
振り返ってみると、そこにはスーツ姿の男と白い中国服を来た男が立っていた。スーツ姿の男たちの顔はどれも異形だ。恐らく妖だろう。
――兄さんに知らせないと!
ふらつく足取りで男たちから離れようとするが、男の一人に髪を掴まれ木に叩きつけられる。
「――ぐっ!」
やはり、先程口を覆われたときに何らかの薬が仕込んであったのか、身体が思うように動かない。
「?个?西、普通人的孩子(こいつ、ただのガキじゃねーか)」
「捉住??的人、怎?做?(どうすんだ? こんなやつ捕まえて)」
――中国語? こいつら、一体……。
中国服を来た糸目の男が前に出る。
「こんばんは、お嬢さん。一つ教えてほしいね。今日あの家に黒ずくめの女、来なかったか?」
糸目の男がしゃがみ込み、同じ目線に合わせると私の顔をじっと眺める。
「日本名は亜愛。私たち、その女殺しにきたね」
――な……、こいつらの目的は朱染家ではなくて、姉さんなのか!?
絶句していると、糸目の男の後ろからスーツ姿の男が前に出る。
「おい、もうお喋りの必要はねぇよ。あの女の関係者は皆殺しにすりゃいい」
男は手にしていた青竜刀に舌を這わせ下卑た笑みを浮かべる。
「ますはこのガキを犯した後にバラして、館に投げこんでやろうぜ」
「おお、そりゃあいい!」
「そうだっ、やれぇぇ!」
盛り上がるスーツ姿の男たちに糸目の男は溜め息をついた。
「やれやれ、みんな相変わらず野蛮なこと考えるね。……でも、確かにそれ位しなきゃ私たちの怒り、収まんないね」
背筋がゾッとするほどの憎悪を滲ませる糸目の男。スーツ姿の男が私の足を掴み、青竜刀を振りかぶった。
「そうこなくっちゃなぁ……。どれ、まずはその可愛いあんよからぶった切ってやんよ」
「このっ……離せ!」
身体をよじって抜け出そうとするが、思うように上手く動けない。
「活きのいい嬢ちゃんだな。さぞかし、血も美味いんだろうなぁ!」
「くっ……!」
凶刃が振り下ろされる。つい難く目を瞑ってしまうが、いつまで経っても激痛は襲ってこなかった。恐る恐る目を開けてみると……。
「……あ、あれ……なん、で……」
男の頭を白い手が貫いていた。いつの間にか男の背後に立っていたその人が生々しい音とともに手を引き抜く。
「……姉さん?」
その人は新しく出来た姉、亞愛姉さんだった。
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