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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第一話「中国からの来訪者」
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出て改めて自己紹介をする。
「刈愛です。あなたが来たから私は次女になるのね。背は私の方が高いかしら?」
「萌香だ。今年で九歳になる。よろしく頼む」
「心愛よ。どーせならあたし、妹が欲しかったのに。どーせあたしは末っ子ですよーだ」
「そう拗ねるな。――改めて、千夜だ。君の兄になるな。困ったことがあったらいつでも頼ってくれ」
差し出す手を一人一人握る亞愛。
「歓喜! こんな素敵な兄妹が出来るなんて夢みたい。請多関照(よろしくお願いします)!」
――よかった、これなら仲良くやっていけそうだな俺たち。一歩下がって姉妹でキャイキャイ騒ぐ妹達を見守りながら、そう思う。
しばらくして父が亞愛に話し掛けた。
「さて、亞愛。早速で悪いが、君の同族としての『力』を見せてくれるかい?」
「――! ええ、分かったわお父様」
その言葉が何を意味しているのかを察した亞愛は表情を引き締めた。
「よろしい。では、千夜。前に出なさい」
父に促されて前に出る。萌香たちもこの後の展開を把握しているのか、いつの間にか離れて遠巻きに見守っていた。俺と亞愛を中心に客たちも下がっていく。
「では、我が子らよ。遠慮は無用だ」
――殺し合いなさい。
緊迫した空気がホールを包み込む。亞愛はじりじりと円を描くように移動しながらこちらの隙を窺う。
「手合わせを――と言っていた矢先にこうなるとは。いや、良い機会をもらったものだ」
「こんなに早く、兄様と戦えるなんてね」
互いに軽口を叩き合いながら戦意を高めていく。
俺は左手を下段に、右手を腰だめに構え、両足を前後に開いた半身の姿勢になる。地に根を生やすかのように重心を落とす。
「さあ、どこからでも来な」
「その余裕、なくしてあげる……!」
強烈な踏み込み。一息で眼前に迫った亞愛は顔面に拳を放ってくる。中々のスピードだな。
外側に一歩踏み出して紙一重で回避した俺は転身してお返しとばかりに右のバックブロー。
しゃがんで避けるが――甘い。
バックブローを追いかけるように間髪入れず放った、左の回し蹴りが亞愛を襲う。
「――っ!」
両腕を交差させて防ぐ亞愛だが、衝撃を逃しきれず後方に吹き飛んだ。空中で一回転して姿勢制御をし、足から着地する。
思考する時間を与えないように追撃を仕掛ける。膝をつく彼女に向かって打ち下ろしの右。
「む?」
手の甲でわずかに軌道を逸らした亞愛は滑るように懐に潜り込むと、俺の腹部に肘を押し当てた――っ
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