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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第一話「中国からの来訪者」
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しても願ったりだな。是非お願いするよ」
「明白了(わかったわ)。お手柔らかにね」
「それは君次第だな」
和やかに離していると、背後から殺気を感じた。反射的に振り返ると、そこには可愛らしく頬を膨らませた心愛と、いかにも不機嫌ですとでも言いたげな顔をした萌香の姿が。その後ろでは刈愛がくすくすと笑っている。
「お兄さま! この後私と稽古するわよ!」
「兄さん、最近腕が鈍ってきたんだ。この後、少し見てくれないか」
「ちょっと、お姉さま! 私が先に言ったのよ!」
「ふん、兄さんの優先権は私にある」
「そんなのおーぼーよ!」
いつものように姉妹喧嘩を始める二人。それを目にした亞愛が楽しそうに笑った。
「私、彼女たちとは仲良く出来ると思うわ」
「それはよかった」
賑やかな一行は親父の元へと向かう。
† † †
「よく来てくれたね。私がこの館の主、朱染一茶だ。歓迎するよ」
「初次対面(はじめまして)。今日この時を心待ちにしていました……。亞愛と申します。お会いできて光栄です、お父様」
親父の言葉に膝をついた亞愛が包拳礼で一礼した。
「うむ、私も逢えて嬉しいよ。君も今日から朱染家の一員だ、自由にするといい。兄妹たちとはもう話したかね?」
「ええ、少し……。皆優しい人で安心しました」
「それは重畳」
俺たちは親父の後をついていく形で大ホールへと向かう。亞愛のお披露目という演目で朱染家の関係者を大勢呼んだらしい。俺もさせられたな……。
長い廊下を歩き大ホールに入ると、既に集まっていた客人たちの視線が集まる。
「ボスの隠し子?」
「かわいー子ね」
「萌香ちゃんたちも大きくなったな。うん、可愛くなった」
「朱染家兄妹が勢揃いか」
そこらかしこから聞こえる声に萌香たちの顔が赤く染まる。こういうところは初心だなー。
親父が一歩前に出る。
「諸君、遠路遥々よく来てくれた。今日は私の新しい娘を紹介する」
親父に促された亞愛が一歩前に出て頭を下げた。
「ご紹介に預かりました、朱染亞愛と申します。幼い頃に母を亡くし、中国の縁者の元でお世話になっていました。天涯孤独の身と思っていましたが、偶然お父様の所存が判り、おまけに家族として受け入れてくれて感謝の念に堪えません。新参者ですが、どうぞよろしくお願いします」
スカートの端を摘まみペコっと一礼する亞愛に大きな拍手が送られた。俺たちも亞愛の前に
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