第25話 ランテマリオ星域会戦
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す」
「そうか、良い名だな」
「あ、あう……その、えっと」
「勝利を願ってくれた君のために私は勝とう。だから君は生きて帰って家族に伝えるんだ。アドルフ・フォン・ハプスブルクをランテマリオの戦いで勝たせたのは自分だと」
「……はい!」
よし、これで俺への好感度は大幅にうpしたに違いない。
将来が楽しみだ。
いずれ彼女を俺の嫁とするためにも、この戦いは負けられんな。
* * *
宇宙暦799年/帝国暦490年2月7日。
進撃する同盟軍に帝国軍の位置に関する情報が最初にもたらされたのは12時40分のことであった。
「帝国軍、ランテマリオ星域に侵入しつつあり!」
「総数、15万隻以上。11個艦隊が縦列に展開しつつ第二惑星の軌道をかすめる形で同星域を通過する模様」
「凄まじい大軍ですな……。帝国軍の陣形から見て、その狙いは『双頭の蛇』ではありませんか? だとすれば中央突破を図るのは敵の思う壺、危険が大き過ぎると小官には思われます」
「うむ。おそらく……いや、疑いなく貴官の言うとおりだ。だが、もはや他に採るべき戦法が無い。敵の陣形を逆用して中央を突破し、各個に撃破するしかあるまい」
「っ……おっしゃる通りです」
同盟軍は、宇宙艦隊司令長官ビュコック元帥を総司令官として、第一艦隊パエッタ中将、第十二艦隊スプレイン中将、第十四艦隊モートン中将、第十五艦隊カールセン中将の4人の提督がそれぞれの艦隊を指揮し、その戦力は4個艦隊52000隻。
内訳は、第一艦隊15000隻、第十二艦隊12000隻、第十四艦隊10000隻、第十五艦隊10000隻、そして総司令部に5000隻である。
帝国軍の艦隊は、
中央にシュムーデ、ミュラー、ハプスブルク、メックリンガー、ワーレン艦隊。
右翼にミッターマイヤー、リーガン、ハウサー、艦隊。
左翼にソーディン、メルカッツ、ロイエンタール艦隊。
予備兵力としてゼークト、ガーシュイン艦隊。
と、その数19万隻超。
また、別動隊としてシドー、ファーレンハイト、ケンプ、レンネンカンプの4個艦隊55000隻が存在する。
そして戦術としては、本体は双頭の蛇の陣形をとり、シドー上級大将率いる別動隊は繞回して敵の背後を遮断することになっている。
この作戦は、ビッテンフェルトがいないことで原作同様にはいかないことに気付いたアドルフが、第二次ティアマト会戦を参考にして立案したものである。
要するに、別動隊が背後をとることで同盟軍を恒星ランテマリオ近くまで後退させず、潮流ができるのを防ごうということなのだが、ヤン・ウェンリーが来る前に片づけてしまいたい――つまり早期決戦で終わらせたいという思惑もある。
普段であれば、凡人たるハプスブルク
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