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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第44話 水の精霊
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らの探知能力を使用して……。

 呪文を使用せず、少し目を瞑り、この世界。意識と無意識の狭間の世界と、自らの無意識との接点まで降りて行く事で、この世界と自分(精神)とを重ね合わせてみる。
 目的は、世界の把握。この蒼き静寂の世界を把握する事によって、俺がここに居る理由を探る事が可能だと思いますから。

 もっとも、そこまでの事は出来ずとも、多少の脱出の為のヒントなりを手に入れられたら良い、と言う程度の目論みなのですが……。

 ゆっくりと、深度を下げて行く。いや、それはイメージ。飽くまでも、感覚。
 俺が学んだ魔法は仙術。仙術の基本は、先ず、自らの身体を制御する術を学ぶ。そして、自らの霊気の巡りを感じ、自らと世界の関わりについて学ぶ。
 これは、その際に行った修行の応用。まして、ここが夢の世界ならば、余計な肉体が無い分だけ、無意識との接触はよりスムーズに為せるはず。

 ………………。

 奇妙な空間。それが、この蒼い世界に付いての正直な感想ですか。
 はっきり言うと、この空間自体の規模は判りませんでした。そして、基本的に世界を支配している(ことわり)は、陰にして、狂。そして、やや強い破壊衝動。あまりこんな場所に長居していると、俺の精神にも影響を及ぼす可能性の有るレベル。

 但し、妙な諦観や達観にも似た雰囲気が有るのも事実。
 何をしても。どう足掻いても、世界は変えられない。変わらないと言う諦め。
 それ故の、強い破壊衝動とも考えられますか。

 ……う〜む。どう考えてみても、直接魔法に関わる存在。神や、悪魔。仙人が創り上げた世界と言うよりは、ごく一般的な人間が、呪的なアイテムに誤って触れた結果、その呪具を暴走させて創り上げて仕舞った異常空間、と言うような感覚なのですが……。

 ゆっくりと。閉じた時の倍は時間を掛けて瞳を開く俺。
 その瞳を開けた時に、最初に映った人影は……。

「初めまして、で良いんかな」

 俺は、目の前に顕われたその少女に対して、普段通りの雰囲気でそう問い掛けた。
 但し、初めて出会った相手とは思えないのですが。

 少女は、無言で見つめるのみ。科学の産物で有る青白き街灯の明かりに切り取られた空間で、その淡いブラウンの瞳と、銀のフレームを持つメガネに、やや間の抜けた俺の顔が映り込んでいた。

「貴方には、わたしの友人を助け出す手助けをして貰いたい」

 そして、一瞬の空白の後、俺の質問に答えを返す事もなく、その少女は、タバサに良く似た口調、及び雰囲気でそう話し掛けて来た。
 あの冷たい紅に染まった空間で、蒼い髪の毛を持つ少年と話していた時、そのままの雰囲気を纏って……。

 服装は、魔法学院の制服にも似た白いブラウスに、黒のミニスカート。紫水晶らしき宝石
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