第24話 フェザーン占領とヤン艦隊の方舟隊
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ますが、敵はあのヤン・ウェンリーなのでどのような罠があるやら……」
「ふむ……」
ナトルプが少し考え込んでいると、そこへ報告が入る。
「要塞から離脱した敵を追って、ドロッセルマイヤー艦隊が動き出しました」
「まあ、よかろう。やつに任せるとしよう」
・・・・・
ドロッセルマイヤーは艦隊を二分し挟撃体制を築こうとするが、後続のアーベライン中将の部隊が要塞の浮遊砲台からの砲火に曝される。
「く、罠か!」
アーベライン分艦隊は浮遊砲台による側面からの砲撃によって、成す術も無いままにその数を減らしていく。
「見殺しにはできん、援護せよ」
ナトルプ艦隊の援護射撃によってアーベライン分艦隊は危機を脱したが、挟撃態勢は崩れてしまっていた。
「この隙に敵艦隊に突撃せよ!」
ドロッセルマイヤー艦隊が攻撃を仕掛けると、護衛にいた同盟軍艦隊はすぐさま撤退に移り、輸送船のみが残される。
そして、帝国軍が輸送船を拿捕しようとした時、輸送船が次々と爆発して艦隊に被害を与えていく。
「く、小細工を……」
「閣下、敵艦隊が反転してきます!」
反転してきた同盟軍の奇襲によって窮地に陥っていたドロッセルマイヤー艦隊だったが、ルッツ艦隊が救援に来たことで不利を悟った同盟軍は撤退した。
損失は、先のアーベライン分艦隊のも合わせると2000隻に達していた。
「あのような策を弄したのは実際に要塞を捨てる時にこちらの追撃の意思を鈍らせるためだろう。単に戦術上の小さな勝利のためだけではあるまい」
「では、改めて追撃の用意をいたしますか?」
「いや、ここで態々いらぬ危険を冒さずとも帝国軍の勝利は揺るがん。放置しておいて構わんだろう」
「分かりました。しかし、追撃はともかくイゼルローン要塞進駐の準備は整えておきたく思いますが」
「うむ」
* * *
「イゼルローン要塞から膨大な数の艦船が離脱を開始しました」
「追撃は無用だ。先ず要塞を占拠することを目的とせよ」
「ルッツ提督より入電」
スクリーンにルッツの姿が映る。
『敵が要塞を放棄したのは事実としても、注意するのは置き土産の存在でありましょう。要塞動力部に爆発物を仕掛け、我らが進駐したところ一挙に殺戮するつもりではないかと思われます。先ず、爆発物の専門家を派遣して調査させるべきではないでしょうか?』
「なるほど、卿の意見はもっともだ。直ちに専門家を派遣しろ」
・・・・・
結局、要塞に仕掛けられた爆弾が爆発することは無かった。
これは、ヤンが真の罠に気付かせないために爆弾が発見されるように設置したからである。
もっとも、容易に発見されると罠を疑われるため多少分かりにくくし
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