手がかりと新たな始まり
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からないといったかんじで首を傾げるキリト
「アスナの可能性が少しでもあるならば行くだろ?やらないで後悔するより、やって後悔しようぜ。それに俺たちが、死の無い世界で育ったようなもやしプレイヤーなんかに負けるかよ」
「ああ!!」
俺はキリトの返事を聞き満足してうなずいた
「ところで、PK推奨ってのは?」
「プレイヤーはキャラメイクでいろんな妖精の種族を選ぶわけだが、違う種族間ならキル有りなんだとさ」
「そりゃ確かにハードだ。でも、いくらハイスペックでも人気出ないだろ、そんなマニア向けな仕様じゃ」
するとエギルは再び笑う
「そう思ったんだけどな、今大人気なんだと。理由は<<飛べる>>からだそうだ」
「飛べる……?」
「妖精だから羽根がある。フライト・エンジンとやらを搭載してて、慣れるとコントローラなしで自由に飛び回れる」
キリトがへえっと声を上げる。飛行か……それがこのゲームのミソってとこか
「飛べるってのは凄いな。羽根はどう制御するんだ?」
「さあな。だが相当難しいらしい。初心者は、スティック型のコントローラを片手で操るんだとさ」
「片手をとられるのはきついな……でも、行かないとな。そのスクリーンショットを見せて、さらにアルヴヘイム・オンラインを見せてきたってことは、その中のスクリーンショットなんだろ?」
エギルはパッケージを取ると裏返す。そこに描かれている巨大な樹を指差すと言った
「世界樹と言うんだとさ。プレイヤーの当面の目標は、この樹の上の方にある城に他の種族に先駆けて到着することなんだそうだ」
「到着って、飛んでいけばいいじゃないか」
「そんなに簡単にできたらクエストにならんだろうが」
呆れた声を出す俺
「なんでも滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい。この樹の一番下の枝にたどり着けない。でもどこにも馬鹿なことを考えるやつがいるもんで、体格順に五人が肩車して、多弾ロケット方式で樹の枝を目指した」
「ははは、なるほどね。馬鹿だけど頭いいな」
「それ矛盾してないか?」
「うむ。目論見は成功して、枝にかなり肉薄した。ギリギリで到着はできなかったそうだが、五人目が到達高度の証拠にしようと写真を何枚も撮った。その一枚に、奇妙なものが写り込んでたらしい。枝からぶら下がる、巨大な鳥かごがな」
「鳥かご……」
「そいつをギリギリまで引き伸ばしたのが、その写真ってわけだ」
「よし……場所も目的地もわかったところで……な」
「ああ……エギル、このソフト、もらっていいか」
一瞬気遣わしげな顔をしたが、次の瞬間それは和らいだ
「おまえらのことだ。とめても無駄だろ?」
「ああ、この眼で確かめる」
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