第三十話 二人の刺客
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。しかしそれにも反応がないのであった。
「ゼオラ、そっちはどうだ」
「駄目」
ゼオラはアラドの言葉に首を横に振るだけだった。
「モニター出来ないわ。一体何が起きてるの!?」
「どういうことなんだ、これは」
「アインに何が起きた」
キャリコも二人と同じものを感じていた。まだ攻撃は当たっていないというのに。
「この気配は。だが」
しかし己の攻撃には自信があった。それは今まさにクォヴレーのベルグバウを貫こうとしているのだった。そこに頼みをかけるのだったが。
「これならば俺の勝ちだ」
「無駄だ」
「無駄!?」
クォヴレーの声からだった。それはキャリコの頭の中に直接届いていた。
「どういうことだそれは」
「この程度の攻撃なぞ」
「戯言を」
キャリコはまずはそれを否定した。
「かわせるものか。この俺の攻撃は」
「容易いと言っている」
しかしクォヴレーの言葉は変わらない。
「この程度はな」
「むっ!?」
「見ろ」
クォヴレーの姿が消えた。そうしてキャリコの攻撃を全てかわすのだった。
「かわした!?しかも全て」
「所詮は貴様はイミテーション」
クォヴレーの言葉だった。
「俺には勝てない」
「勝てないだと、この俺が」
「そうだ。さっき貴様は言ったな」
今度はキャリコの言葉を返してきた。
「俺が消えると。しかしそれは違う」
「どういうことだ。何が言いたい」
「言っておく」
「!?貴様」
ここでキャリコは気付いた。今のクォヴレーの姿に。
「貴様その姿は」
何と今の彼の髪は青かった。その青で彼を襲っているのだった。
「まさか本当に・・・・・・」
「消えるのは御前だ」
その青い髪のクォヴレーがキャリコに告げてきた。
「キャリコ=マクレディ」
「俺の名まで知っているのか」
「イミテーションの存在は知っていた」
キャリコに対してまた告げる。
「それだけだ」
表情を変えずに静かに向かう。そうしてヴァルク=バアルを切る。
しかし一撃では撃ちなかった。キャリコはまだ不敵な笑みを浮かべていたのだ。
「ふむ、遂にか」
「遂にだと」
「本性を現したか」
そうクォヴレーに言うのだった。
「貴様はアインではない」
「・・・・・・・・・」
しかもクォヴレーはそれに答えはしない。
「取り憑いたのはどちらだ?」
「何が言いたい」
「聞いているのは俺だ」
またクォヴレーに対して言う。
「バルマーに対し反旗を翻した二人の男」
「二人の男だと」
「そのどちらなのだ?」
「俺はバルマーに反旗を翻してはいない」
しかしクォヴレー、いや若しかするともう一人はそれを否定するのだった。
「俺はそもそもバルマーではなかった」
「何が言いたい」
これはキャリコにとってはわからない言葉であった。
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