第二十八話 剣神現わる
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も見つかってはいない」
「そうか。なら仕方ないな」
「わかっていることもない」
ブライトはこうも言うのだった。
「何一つとして」
「だが。鍵はあるな」
アムロの目が鋭くなった。
「それは多分」
「あの二人だな」
クワトロもそれは気付いていた。
「おそらくは彼等が」
「だが。容易には正体を見せないな」
彼等も怪しいとは思っていたがそれでも確実なものがないのだ。だから断言出来なかったのだ。だからこそ今は鍵であるだけであったのだ。
「まだな」
「いずれ動くだろう」
クワトロの返答はこうであった。
「だがそれは今ではない」
「待つということだな」
「待つというのも大事な仕事なのだよ」
一瞬だがシャア=アズナブルの顔になった。サングラスの奥で。
「時としてな」
「それで御前は待つというのだな」
「待っていてもそれがどうでもよくなる時もあるがね」
またシャアの顔に戻って言う。
「時として」
「それはクワトロ=バジーナの言葉か?」
アムロはそんなクワトロに対してあえて問う。
「どうなんだ、そのところは」
「クワトロ=バジーナと思ってくれ」
それがクワトロの言葉であった。
「私はクワトロ=バジーナとして生きているのでね」
「そうか。ならそう考えさせてもらう」
アムロはそれを受けてこう答えた。
「クワトロ=バジーナの言葉としてな」
「そうしてくれ。では行くとしよう」
あらためてアムロに対して言う。
「戦場へ」
「わかった、じゃあ行こう」
「うむ」
こうして彼等は戦場に向かった。ブライトの作戦通り大気圏とホワイトスターの間に布陣する。丁度両軍も布陣していた。
「あの敵には指揮官はいないな」
ブライトはまず謎の敵を見て言った。
「目新しい敵もいない。それでは」
「ここはこれまでと同じでいいだろう」
シナプスがここでこう提案する。
「あの敵に対してはな」
「そうですね」
ブライトも彼の言葉に頷く。だが問題は彼等だけではないのだ。
「しかし、バルマーは」
「あちらは特に動く気配はありません」
タケルが報告してきた。
「兄さんもいるようですが」
「マーグがか」
「はい、それでも積極的に動く気配はありません」
確かにそうだった。バルマー軍はあえて動こうとはしない。こちらの様子を見ているだけであった。ヘルモーズもいるがやはり動きはしないのだった。
「司令」
ヘルモーズの艦橋でロゼがマーグに問うていた。
「今回は攻撃されないのですか」
「あの敵が気になるんだ」
マーグはそうロゼに答える。
「まだ何もわかっていないから」
「そうですね」
ロゼはマーグのその言葉に頷く。
「彼等の正体は。何もわかってはいません」
「ここはどういった存在なのか見ておきたい」
マーグはまた
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