第二十八話 剣神現わる
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!!」
「少佐!」
「うろたえるな!」
彼だけが落ち着いていた。そうして己の斬艦刀でその一文字斬りを受け止めるのであった。
「ぬっ、我の攻撃を!」
ウォーダンはそれを見て言う。
「我が斬艦刀を受けきったか」
「見事な太刀筋だ」
受けたゼンガーもそれを認める。
「貴様、何処でその剣を手に入れた」
「答える必要はない」
しかしウォーダンはその問いに答えようとはしない。
「だが一つ言っておく」
「何だ?」
「俺の名はウォーダン」
それを言うのだった。
「ウォーダン=ユミル。ゼンガー=ゾンボルトなどではない」
「けれどあれは」
「そうですわ」
ラトゥーニの言葉にシャインが続く。
「少佐のもの」
「それで違うというのは」
「あの声に名乗り、斬艦刀ってよ。ど、どう考えたって!」
「そうよ、それしかないわよ」
アラドとゼオラも狼狽しながら言い合う。
「少佐しか」
「それで別人って」
「も、もしかしたらそっくりさんの別人とか」
「あんなトンデモ野郎が他に何人もいるか!」
カチーナはラッセルに突っ込みを入れる。
「一人だけでも凄いんだぞ!」
「双子の弟とかっていう線はなし?」
「そうだよね、現に少佐は今ここにおられるし」
リオの言葉にリョウトが応える。
「クローンじゃないって言ってるし」
「だよね、それだと」
「俺に兄弟はいない」
ゼンガー自身がそれを否定する。
「また同じ剣を使う者も知りはしない」
「じゃあ一体誰なのよ」
エクセレンも流石に今回はいつもの軽さがない。
「やっぱりクローンじゃないの?ここは」
「だとしてもだ」
キョウスケがそのエクセレンに言う。
「かなりよくできている。完璧なまでにな」
「完璧って」
「あれはまさに少佐だ」
「そんなのが敵にいるってまずいじゃない」
それは言うまでもない。エクセレンの顔が曇る。
「少佐の相手になるってそれこそ」
「俺の相手となれるのは俺のみ」
ゼンガー自身がここで断言すらする。
「それならば」
「貴様が相手ならば相手にとって不足はなし!」
ウォータンの言葉もそのままゼンガーのものであった。
「かかって来るのだ!」
「言われずとも!」
ゼンガーもそれに応える。
「貴様の相手、心ゆくまで務めよう」
「貴様の斬艦刀と俺の斬艦刀」
互いに構える。戦いは静から動に移る。
「どちらが上か確かめようぞ!」
「参る!」
二人の影が交差した。そうしてその次の瞬間には。
互いの左肩が破損した。やはりここでも互角であった。
「俺の左肩に傷を」
「やるな」
互いにその傷を見る。そうして言い合う。
「腕は全くの互角か」
「ならば一瞬の油断こそが命取りとなる」
そうした勝負であった。二人の戦いは激しい緊張の中にある。
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