第二十二話 生きていた男
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ら何でもそれは」
「このドイツ猿!」
だが彼はまだ言うのだった。
「他に何て言えっつんだよ!」
「言えないようにしてやるわよ!」
アスカもまたアスカであった。
「ここでね!覚悟しなさい!」
「面白え!今回何か戦いがいがないと思っていたところだ!」
敵になっていたから当然であった。
「容赦しねえぜ!」
「それはこっちの台詞よ!」
二人は喧嘩をはじめた。アズラエルはそんな二人を見て言う。
「とりあえず鎮静剤が欲しいところですね」
「そういえばあの三人は平気だったようで」
ユウナはオルガ、クロト、シャニについて言及した。
「またどうして」
「マインドコントロールの類には耐性があるんですよ」
「そうなのですか」
「元々そういう体質でして」
それはそれで凄いことであった。
「全く平気なのです」
「それは凄いことですね」
「ええ。おかげで結構得をしています」
そのことには笑うアズラエルであった。
「何しろ。丈夫なのがパイロットの第一条件ですからね」
「左様ですか」
「いや、最初は確かに兵器扱いでしたが」
もうかなり昔のことに思える話であった。
「こうして実際にいると。ついつい頼りにしてしまうようになります」
「人間としてですか」
「そういうことです。使いにくくはありますが」
「ですが貴重な戦力ですな」
トダカが言う。
「あの三人の桁外れの破壊力で随分救われています」
「あれでなくてはならないようですねえ」
アズラエルは何故か楽しそうであった。
「敵としては随分苦しめられたんですが」
「そもそも貴方がジブリール副理事に彼等を奪われたのが原因では?」
「まあそれは言わないで下さい」
ユウナの言葉にバツの悪い顔をする。
「よく考えれば死刑囚を強化するよりもそのまま使えばよかったですし」
「死刑囚だったんですか、彼等は」
「ええ。ティターンズの基地に殴り込みをかけまして」
それはそれで凄い話である。
「そのせいで死刑判決を受けたのです。丁度連邦が彼等に殆ど牛耳られていた時で」
「ではレジスタンスだったのですか?」
「いえ、酒に酔って」
「酒に!?」
これにはユウナも言葉がない。
「それは幾ら何でも」
「しかし彼等は」
キサカが顔を顰めさせながら述べる。
「どれだけ飲んでも倒れることを知りませんが」
「この前はウォッカをストレートでボトル三本ずつ飲んでいましたぞ」
トダカが言ってきた。
「それで酔うなどと」
「何でもメチレンを相当飲んだそうで」
悪名高き粗悪酒だ。これを飲んで失明どころか命を落とした者も多い。昔から物資不足になれば出回る悪質な酒だ。
「それで悪酔いしたのだとか」
「よく生きていましたね」
ユウナもメチレンのことは知っている。飲んだことはないがその
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