第二十二話 生きていた男
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しますので」
「それよりも今は味方のか」
「幾ら何でも同士討ちは洒落にならないでしょう?」
理性的な返答であった。
「だからです。まあそれでもすぐに終わります」
「すぐにか」
「気にすることはありません。さあ」
ここでまた言う。
「いよいよですね」
シーブックは攻撃態勢に入っていた。今ヴェスパーをギルドロームの乗艦に向かって放つのだった。白い光が今矢となって放たれた。
「このヴェスパーなら!」
「いかん、回避せよ!」
ギルドロームをそれを見てすぐに指示を下す。
「急げ!」
「駄目です、間に合いません!」
部下達がそう彼に告げる。
「このままでは!」
「くっ、まさか!」
彼はその報告を聞いて苦悶の声をあげる。
「このわしをあの距離から狙うとは!」
「直撃、来ます!」
そう言った瞬間だった。ギルドロームの乗艦をヴェスパーが貫いた。それで終わりであった。
明らかに大破であった。もう動くことは適わなかった。これで終わりであった。
「敵の精神操作解けました」
「この艦もまた」
「くっ、失敗だというのか」
ギルドロームは部下の報告を聞いて顔を歪めさせる。
「人間め、思ったよりも」
「将軍、こうなっては」
「ここは」
「わかっておる」
部下達にそう答える。
「こうなっては。致し方ない」
「はい」
「それでは全軍」
「撤退だ」
そう指示を下した。
「いいな」
「わかりました」
「それでは」
「全軍撤退だ!」
ギルドロームが指示を下した。
「残る者の命は保障せぬぞ!」
「馬鹿な」
シャピロがその命令に異議を呈した。彼の艦はダンクーガと戦っていた。
「私はまだ戦える。それで何故」
「貴様のことなぞ関係ない」
ギルドロームは冷たくそう言い捨てた。
「旗艦も沈み戦力もかなりやられた。作戦も失敗している」
「だからか」
「貴様が戦いたいのなら勝手にするがいい」
こうも言うのだった。
「だがわしは兵を退かせる。それだけだ」
「・・・・・・わかった」
こうまで言われては頷くしかなかった。
「では退こう。それでいいのだな」
「そうだ。それでは下がるぞ」
「わかった。ではダンクーガよ」
その激情を必死に押し殺して忍達に言う。
「また会おう」
そう言い残して姿を消した。それでこの戦いは終わりであった。
ムゲ軍は退き甲児達も元に戻った。だがそれはそれで騒動のはじまりであった。
「だから覚えてねえつってんだろ!」
「覚えているいないの問題じゃないわよ!」
アスカがさっきの言葉で甲児につっかかっていた。
「よくも猿って言ってくれたわね!」
「実際猿じゃねえか!」
「おい、甲児君」
「今言ったら何にも」
これには鉄也と大介も呆れた。
「ならないじゃないか」
「幾
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