第二十二話 生きていた男
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らなかった。
「卑怯なことを」
「何が卑怯か」
やはりギルドロームは平気な様子であった。
「戦争だ。勝てばいいのだ」
「その考え方が!」
カミーユはそのギルドロームの言葉に反発する。
「より一層事態を悪化させているんだよ!」
「そうよ!」
フォウも言う。
「こんなやり方で私達は!」
「ならば止めて見せよ」
ギルドロームはまた挑発する。
「この私をな」
「そうかよ。じゃあ今からそこに行ってやるぜ!」
ダンクーガが突進する。
「覚悟しやがれ!」
「ふむ、やはりここに来たか」
「!?今のは」
「その声は」
忍とアランが最初に気付いた。
「やっぱり手前か!」
「生きていたか!やはり!」
「シャピロ、手前!」
「暫くぶりだな、藤原」
それは間違いなくシャピロの声だった。それはムゲ軍から聞こえてきていた。
「元気そうだな、相変わらず」
「何故ムゲにいやがる」
忍はそう彼に問うた。
「答えやがれ!」
「何、簡単なことだ」
あの余裕に満ちた笑みで述べる。
「私はあの敗北の時大破した艦の中で気を失っていた」
「さしづめあれですか」
ここでアズラエルは気付いた。
「そこを丁度侵攻していたムゲ軍に救われた」
「そうだ、そして私はムゲ軍に入った」
アズラエルに答える。
「そういうことだ。これでわかったか」
「わかりましたが尊敬はできませんね」
アズラエルの言葉は冷笑混じりであった。
「またこうして人間と戦うというのは」
「ふん。人間だと」
今度はシャピロが冷笑を浮かべる番であった。
「私は人を超越して神になる。その私が人なぞと一緒に」
「超人論ですか」
アズラエルはそれをこう捉えた。
「ニーチェですね。ですが」
「何が言いたい」
「それにも器が必要なのですよ」
そう彼に告げる。
「器だと!?」
「そうです。僕の見たところどうやら貴方は」
「何が言いたい」
「いえ、止めておきましょう」
あえてここで話を止めてみせた。
「戦闘中ですし。皆さん」
仲間達に対して言うのだった。
「攻撃目標は彼ではありません」
「どういうことだ、そりゃ」
忍がその闘争心を込めたまま彼に問う。
「あいつを殺さなくていいのかよ」
「それは後です。何時でもどうとでもなる話です」
「おい、どういうことだそりゃ」
「ですから。人の話は御聞き下さい」
知ってはいたが流石のアズラエルも忍のこの闘争心には内心驚いていた。
(まさかこれ程までとは)
「それでですね」
「ああ」
「まずはあの敵の将軍の乗っている戦艦です」
ギルドロームの艦を指し示す。
「それをどうにかしないと今こっちに攻撃してきている人達が大変ですよ」
「そうね」
アズラエルの今の言葉にレイが頷く。
「さもないと。
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