第十六話 シークレット=ミッション
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るのであった。今度はフレンドリーな態度であった。
「あの時は御免なさいね。あまりにも似ていたから」
「それはいい」
そうしたことにこだわるヴィレッタではない。
「だが」
「どうしたの?」
「それ程私に似ていたのか」
それについて問うのだった。
「そのバルマーの兵士は」
「そうね。仮面だったけれど」
それでもわかるものはわかるというのだ。
「雰囲気とかね。けれど」
「けれど?」
「少し向こうの方が機械的だったわね」
それがセレーナの受けた印象であった。
「どういうわけか」
「そうか」
ヴィレッタはそれを聞いて静かに頷いた。
「わかった。機械的なのだな」
「ええ、そうよ」
「では間違いないか」
セレーナの話をそこまで聞いてまた呟いた。
「あの男が来るか」
「あの男!?」
レビがそれを聞いて声をあげた。
「それは誰なのだ?」
「ハザル=ゴッツォだ」
ヴィレッタは忌まわしげにその名前を出した。
「来るな。あの男が」
「確かあいつは」
レビはバルマーにいた頃の記憶を辿りながら言った。
「外宇宙方面軍司令官だったな」
「そうだ。そしてバルマー人以外を人とは思ってはいない」
「何かあれだな、それって」
勝平はそれを聞いて言う。
「典型的な悪役ってやつだな」
「単純だがその通りだな」
宇宙太は彼のその言葉に頷いた。
「残念ながら結構いるタイプだ」
「そうね。ブッチャーとはまた違って」
恵子はかつての戦いで葬った宿敵を思い出していた。
「ああした奴は何処にでもいるみたいね」
「より危険だ」
だがヴィレッタはこう三人に告げた。
「より!?」
「そうだ。ブッチャーにはこれといって知性がなかったな」
「ああ」
「それはそうだな」
勝平も宇宙太もそれはわかっていた。
「だがハザルには高い知性がある」
「バルマー人だからですか」
「そうだ。しかも」
恵子に応える形で述べ続ける。
「部下達も同じだ。自分達以外を人間とは思っていない。一般市民も文化も容赦なく攻撃し破壊する」
「グラドスもいる」
エイジが暗い顔をして言ってきた。
「ハザル=ゴッツォの下にグラドス人がいるんだ。それも覚えておいて欲しい」
「最悪の上司に最悪の部下ってわけかよ」
デビットは忌々しげに言い捨てた。
「どうやらバルマーの中でも外宇宙方面軍ってのは最悪らしいな」
「その通りさ」
レッシィが彼に応える。
「あたし達辺境方面軍よりもまだ酷いよ」
「ああ、そういえばあんた達もバルマー軍にいたんだっけ」
「そうさ」
シモーヌに答える。
「ポセイダルもバルマー出身だからね。まあ地位はグラドスの方が高かったけれどね」
「その通りだ」
ギャブレーも言う。
「彼等は気位が高い。それも悪い意味で」
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