GGO編
百八話 刃の影
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
さて、それから数分。リョウ達四人は、砂岩地帯の、岩山内にある洞窟の中に、ハンヴィーごと入り込む形で隠れていた。
入口は大きめで、中も広い。入口から見え無い位置までハンヴィーで入り込んでも、さらにその奥に畳四畳分くらいのスペースはあった。
「さてと、そんじゃここで一休みがてらスキャン回避と行きますか。俺らの端末にも情報こねぇけど……ま、良いだろ?」
「え、そうなの?」
車から降り、腰を伸ばしがてらそう言ったリョウにキリトが訪ね、リョウは苦笑する。
「あのなぁ……」
もし洞窟の中で自分達には情報が来るのに他のプレイヤーには自分達の位置が表示されないとしたら、それこそチート以外の何物でもないだろう。
開始と同時に全員がこぞって洞窟の取り合いをしてもおかしくは無い。
「成程なぁ……ま、水の底に潜るよりはましか……そう言えば……」
と、キリトがのんびりとした調子で言った所で、彼はシノンの方に真剣な目を向けた。
「死銃はさっき、突然キミの前に現れたよな。もしかして、あいつは自分を透明化したりすることが出来るのか?鉄橋脇で消えた時も、衛星に映らなかったのも、もしかしてその力のせい……?」
「たぶん、そう……」
キリトの問いに壁に寄り掛かるように座ったシノンが答えようとした所で、リョウが慌てたように声を上げた。
「おぃ、ちょちょちょちょちょ。悪いけど俺らにも分かるように一から説明してくんね?」
シノンの右隣でアイリが、コクコクと頷く。先に四人全員が事情を知っている事を説明したうえで、キリトが自分達の側であった事を話しだす。
すなわち、ペイルライダーが、リョウ達が居た田園地帯の南に位置する森林地帯の向こう。山岳地帯に繋がる鉄橋近くで殺された事。その後、一帯をスキャンで調べた物の、誰も見つからず、鉄橋下の川底に潜ったと判断して廃墟地帯まで追ってきた事。リョウ達と同じく廃墟地帯に居る銃士Xを死銃であると判断し、シノンが狙撃、キリトが前衛となって攻撃しようとした所、突然シノンが後ろから電磁スタン銃による狙撃を受けた事。
その時の様子まで事細かに、キリトは話してくれたのだ。
「で、透明化ってのは?」
「もしかして……メタマテリアル光歪曲迷彩(オプチカル・カモ)?」
「……」
アイリの問いに、シノンは正面からコクリと頷いて返した。
「何だそりゃ」
リョウが問うと、アイリが答える。
「ボス専用の希少能力……って、もうボス専用じゃないのか……」
「それ使うと……透明になれる?」
キリトの問いに、アイリはしっかりと頷く。
「自分の迷彩服の表面で光を滑らせて、自分の像を結ばなくすることが出来る。って能力何だよ。見たことは無かったけど……そう言う能力の有る装備が有ってもおかしくは無いかな……
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ