暁 〜小説投稿サイト〜
最期の祈り(Fate/Zero)
変わらぬ瞳
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う関係なの?」
「あ、ああ。フランスで観光案内して貰った仲だよ」
「それ以上の関係は!?」
「いや、無いから……って、何故そこで涙目になるんだシャルル!?」
特に深い中では無いと言った瞬間、シャルルの顔が一層歪んだ。いや、今はシャルロットでは無く、シャルルとして認識されているからな。今ここでただならぬ関係に在ると認識されたら、お互い特別なレッテルが張られるぞ?というか、さっきの僕の説明で正しいだろうに……
色々言いたいことは山ほどあった。しかし、突如切嗣はいずまいを正した。
「貴様が……織斑一夏か!」
その場に似つかない、余りに剣呑とした声が響いた。
見ると、先程転入したばかりの生徒「ラウラ・ボーデヴィッヒ」が無表情で椅子に座る一夏を見下ろしていた。その剣幕に怯んでか、一夏は何も言うことが出来ず唯彼女の顔を見つめるばかりだ。
「ぐっ……!」
しかし、彼女は一度大きな殺意を込めるとそっぽを向いてしまった。
「失礼しました、教官。指示を」
「ここでは織斑先生と呼べと……まぁいい。デュノア、ボーデヴィッヒ、あそこの空いている席に座れ」
頭が痛いとでも言うかのように額に手をやる千冬だが、それでも教師としての職務を果たす。

. 少し、興奮の只中に鋭くナイフを突き刺されたためクラスが騒然とする。
「やれやれ、また面倒な事になるな」
ラウラの抱える感情を考えると、心労が耐えない千冬が誰に言うでも無く一人ごちた。
.
.
.
.
. 人の怒りは限界を真に超えた瞬間、そこに一切の感情を抱かせなくなる。一つの防衛本能と言っても言い。
今回の一夏に対するラウラの行動は正に好例だ。そこには様々な感情がある。怒り、嫉妬、矛盾によるやり場のない憤怒……
. それらが秩序たるコスモを造るならまだいい。コスモならほどくのは容易い。しかし、カオスを形成してしまった場合、殺意より強烈な言語化する事すら困難なドロドロしたモノを抱かせる。やり場のない感情は相手を傷付けるという行為すら無価値に貶め、それを悪循環と為しより一層の暗闇へと人を誘っていく。
. これより織斑一夏が挑む事になるのはそんなカオス。こればかりは一人で越えられる壁では無い。一人では……
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