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最期の祈り(Fate/Zero)
変わらぬ瞳
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昧な物差しでもって人を判断してしまったのだ。近くに織斑一夏という希有な存在が居たことを差し引いても、許される事ではないし、赦そうとも思わない。
. だから
「今までの非礼、本当に申し訳ありませんでした」
私は頭を下げる。これに関しては赦してもらおうなどとは思っていないし、そもそも自分が赦せそうにない。正直、思いきり罵倒して貰った方が助かる。
「じゃ、おあいこでいいよ」
「……それは」
しかし、衛宮切嗣はそんなセシリアの思いを知ってか知らないでか優しく返す。
「僕は君を傷つけた。なら、それでお互い様だ」
いや、この男は薄々セシリアの考えに気付いている。いっそ、罵って貰った方が救われる。切嗣が何度も体験した事だ。知って尚、相手を責めない。言外の意味するところは、「甘えるな」という事だ。それは個人の問題であり、彼の介入するところでは無い。彼女自身が自分自身の力で変わり、乗り越えなければならない壁だからだ。
「思っていたより、厳しい方なのですね……」
それを覚り、微笑みながら、でもどこか辛そうに返す。
「誰かに何か良いことを言うほど立派な過去を持ち合わせていないだけだよ」
そう言う切嗣の顔は安らいでいた。
「さぁ、そろそろ教室に戻ろう。少し、面白いニュースがあるし」
悪戯っ子のように笑いながらもと来た道を辿っていった。
.
.
.
.
.
「突然だが、このクラスに新たに2名転入生が来ることになった」
朝のホームルーム、何だかんだで結局クラス全員が出席した。理由は「織斑先生」で大体伝わるだろう。
「フランスの代表候補生、シャルル・デュノアです。宜しくお願いします」
「ドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

しかし、さっきから全員口が半開き状態だ。……切嗣を含めて。殆どが三人目の男性パイロットに対して。切嗣はもう一人の少女に対して。
(い……イリ、ヤ)
その……余りに似すぎていた。ラウラ・ボーデヴィッヒ。出身も同じドイツ。髪の色も儚い雪を彷彿させるような白銀。……何より、成長が止まってしまったとしか思えない体つき。二度と会うことが叶わないと思っていた愛娘に瓜二つの少女がいた。唯一の差異を産んでいる眼帯すら痛々しい……
. しかし、そんな追憶は窓を割らんばかりの叫び声にうやむやにされた。
少し精神的に疲れるから詳細は省くが、ライオン達の檻に生肉を放り込んだ状況を想像してもらったらいい。まさしくそれだ。この場合、生肉はシャルロットでライオンは……
「ええい、静かにせんか馬鹿供!!」
全くだ。心の中でひっそり呟く。
見ると、シャルは完全に涙目で切嗣をじっと見ていた。
「え、シャルル君切嗣君の方を見てる?」
「嘘……本当だ」
あ、不味い。火の粉が飛んできた。
「ねえ、シャルル君とはどうい
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