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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
巨人のツル
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被害にあったと言うのだから、そのクエストボスの巨大さと強さが伺える。
その全ての話を村人達が満足いくまで話し終え、人だかりが散った頃には村はすっかり宵闇の光に包まれていた。
へとへとに消耗して村長の家から転がり出る。一つ一つの幹の直径が十メートルは下らない樹々に青紫色の光が当たり、なんとも荘厳な情景を織り成していたが──
「………まさかフラグ立てでこんなに時間かかるとは思わなかったー」
「うん………。どうする?」
明日出直す?と言う意味を省略して、二人して顔を見合す。
「うーん。でもここまで来たんだし、せっかくだから行っちゃわない?そのツルってあれでしょ?」
指差す方向を見ると、意外と村から近い位置に天高くニョロニョロと伸びる立派なツルが見えた。ただアインクラッドの構造上、どんな高い地形でも絶対にその高さは百メートルを超えることはない。
登ることはそれほど苦労しないだろうと思われる。そう登るだけならば。
「そうね、行っちゃおうか。最低でも日付変わる前には戻ってきたいよね」
「うん」
無邪気な笑顔を浮かべたレンの頭を思わずガシガシと撫でて、あたしも笑顔を浮かべる。
なんだか──自分がみるみるショタコン化していくような気がする…………。
あたしはぶんぶんと頭を振って妙な気分をリセットし、さわさわと宵闇の風に揺れる柔らかい草を踏みしめながら歩き始めた。
「でっかいねえ〜」
「でっかいなあ〜」
二人して高くそびえるツルを見上げながら、揃って言った。
首が痛くなってきた。
遠くから見ると、一本のツルに見えたそれは、近くで見ると数千本のツタが合わさってできたらしいことがよく解かった。そのバカでかい幹から交互に広い葉が生えている。
しばらく二人で見上げた後、あたしは軽くため息をついいて一番低いところに生えている葉に向けて歩き出そうとした。
しかし、そんなあたしのエプロンのすそを引っ張る小さな手が一つ。
ん?と振り向くと、再びあたしの行動の意味がわからないという顔をしたレンがいた。
「どこ行くの?リズねーちゃん」
「へ?どこにって、あそこに……」
あたしが葉っぱを指差すと、紅衣の少年はますます訳が解からないように可愛らしく首を傾げる。
「何でリズねーちゃんは、わざわざ遠回りするの?」
「遠回りって?」
そこでレンは、右手で天を指差した。指差す先はもちろん頂上。
「あそこに行くんだよね?」
「………?そうだよ」
今度は、首を傾げるのはあたしの番だった。何言ってんの、この子。
そんなことを考えていると、目の前ににゅっと手が突き出された。レンを見ると無言で相変わ
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