5th 洞窟、そして仲間
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た。いや、抱きついてきたつもりなんだろう。
「当たりなの?」
「ぴきー!」
「そうみたいだな。この世界ではモンスターとも友達になれるのか...」
「ナインの世界ではなれなかったの?」
「ああ...」
ナインが寂しそうな顔をしていたので話はそこまでにした。
新しい仲間、スライムを加え僕たちは洞窟を進んで行く。
リュカSide end
《サンタローズ 洞窟 B2F》
ナインSide
「そういえばこのこの名前どうしたらいいと思う?いつまでもスライムじゃ呼びにくくない?」
「ぴきー」
リュカが明るい声で聞いてくる。
この洞窟に入って、もう結構経っただろう。松明がわりに使っていた枝ももう交換した方が良さそうだ。
リュカとこのスライムは仲がよい。まるで友達のように。
そんな二人(一人と一匹)を見ていると羨ましくなる。
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俺にも以前スライムナイトの仲間がいた。スライムナイトは、下のスライムのみがモンスターで上が小人族... いや、もっとちゃんとした名前があるはずだが... まあとりあえず、何とか族という人間によく似た種族の人という、二つに別れているモンスターだ。だから街に入っても上の部分だけなら気づかれることもなかった。
そのスライムナイトの名前はピエールと言った。利害の一致という形で一緒に旅をするというのが始まりだったが、目的を達成する頃にはかけがえのない仲間となっていた。
しかし、周りは残酷だった。
俺たちがモンスターと一緒にいることがいつの間にか知れ渡っていて、いつの間にか人々は俺たちを忌諱するようになった。まあ世界中を旅していたのだから当然かもしれないが。俺たちは一時期世界中から避けられた。原因が自分にあると知っていたピエールはその性格ゆえか、ある時俺に決闘を申し込んできた。
木刀ではなく、本物の剣を使う手加減なしの真剣勝負。どちらかかが勝ち、どちらかが生きる。そんな勝負だった。俺とピエールの実力は互角。決着はなかなかつかなかった。そんな中、俺の最後の一太刀をピエールはよけることも守ることもせずに自分からくらった。
俺は今でもよく覚えている。ピエールのあの笑顔と涙、そして彼からふき出した血の色を...
彼は俺達のために死んだ。自分が仲間に殺されれば、敵同士だったということができるから。一緒にいたのは罠だと言い訳ができるから...
俺はそれからしばらく世界に幻滅した。仲間たちの支えでなんとか立ち直ることはできたが、モンスターを仲間として見ることはできなくなった。仲間にすれば、友達になれば、あとが辛いからと堅い殻に閉じこもった。
幸い、それから後は敵意を持ったものしかいなかったため、このできごとは心の奥に封印された。だが、今目の前にいるのリュカ達を見ていたら、急に記憶が蘇った
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