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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十五話 反転した決着
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どザミエル卿やハイドリヒ卿を除いて存在しない。ヴィルヘルムですら創造によって起こる吸精でしかダメージを与えれないのだ。
「あああああああああああああああ――――」
だが、おかしい。それを避けたシュライバーは当然、ヴィルヘルムに攻撃を行い腕を千切り、足を砕いたというのにこれまでよりも早く再生していた。対してシュライバーは僅かにだが再生速度が遅れてきている。ヴィルヘルムが行ったことは単純明快。創造を二重にして強化しただけだ。ヴィルヘルムがティベリウスに要求したものは彼が持っていた聖遺物。渇望が変わることは無い以上、全く同じ創造となりその威力は今までの比にならないほど勢いを増していた。
既知を知るものなら知る者もいるかもしれないが仮にラインハルトがヴィルヘルムの創造である『死森の薔薇騎士』を使えば惑星規模で枯渇させるのだ。そこまでではないとはいえ吸精速度は先程までと比較にならないほど早くなっている。
吸精速度がついに限界を超える。シュライバーの魂が尽きるのが先か、ヴィルヘルムの魂が砕ききられるのが先か。
そして結果はすぐに出た。シュライバーの速度は落ちることは無いが、その力(魂の総量)の勢いは落ち始める。そして、勢いがヴィルヘルムに傾いた以上、後は転がり落ちるだけだ。始めは小粒程度の雪球だとしても転がり始めば大きくなり、その勢いが止まることは出来なくなる。
「――Auf Wiederseh´n. (あ ば よ 、く た ば っ ち ま え)。
アァ……最高だァ。テメエにずっっっと言ってやりたかった…!
俺の……勝ちだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!!!!!?????」
吸い尽くされ十八万を超えた魂はヴィルヘルムに喰らい尽くされる。無論ヴィルヘルムも消耗しており既に元あっただろう分の魂は尽きておりシュライバーから奪った魂が無ければ死んでいたはずだった。しかし、結果は如何だろう。ヴィルヘルムが勝利しシュライバーが敗北した。ありえないことなのかもしれない。不可能なことだといえるかもしれない。だがしかしこの戦いに勝利したのは確かにヴィルヘルムだった。
さあ、これでテメエとはお別れだ、シュライバー。俺はあの野郎の呪いを解いてやったぜ。テメエと決着をつけたんだ。これで俺は『あの人』の一番槍だ。そしてシュライバーが膝を付き、ついに力尽きる。消滅はしていないものの最早動くことすら叶わないだろう。
「ククク、ハハハハアアアハハハハハハ、アハハハハ、カカカックククッハハハハ―――――――」
シュライバー
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