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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十五話  反転した決着
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さえこっちに渡ればある意味俺らの勝ちだ」

勝算は無いに等しい。ルサルカの記憶からアルフレートの戦い方を理解しているとはいえ、それでも理解できていることのほうが少ない。しかも、司狼は未だ回復しておらず吸血鬼の死の森は続いている。立って話しているだけでも確実に不利になっていく。だから、

「先手必勝ってな!!」

銃弾を連続して放ち、その上で鎖を向かわせる。しかし、アルフレートはそれらをたやすく回避しそのまま武器を向ける。

「その状態で勝てるとでも?」

「ああ、思っちゃいねぇし、んなこたァ分かってるんだよ。でもよ……」

それらは気を引く罠に過ぎない。アルフレートは聖遺物を持っているメンバーの中では比較的遅い、つまり敏捷ではないことがルサルカの記憶で分かっている。だからこそヴィルヘルムには躱す事ができる技でもアルフレートは食らうことになる。そしてその技とは……

「なッ!?」

鋼鉄の処女(アイアンメイデン)、ドイツ語では「アイゼルネ・ユングフラウ(Eiserne Jungfrau)」とも呼ばれ中世ヨーロッパで使われていたといわれる拷問具。それがアルフレートの背後から突然現れる。

「負けるとも思ってねえんだよッ!!」

アルフレートを閉じ込める鋼鉄の処女。これで斃せるにせよ斃せないにせよ時間を稼ぐことはできその間に逃げるなり戦うなりの算段を立てればいいと司狼は考える。しかし、その考えは甘かった。

「ッ!?」

避けるどころかアルフレートは淡々と鋼鉄の処女に向かって刃を放った。あっけなく鋼鉄の処女は砕かれ司狼は崩れ落ちる。いかに司狼が優れた実力を有していたとしても現状ではどうしようもない。疲労と吸精、そしてなにより急激な変化に司狼自身にも遂に限界が近づいてきたのだ。その結果に起こった当然の帰結。集中が乱れている現状で手早く作り上げた形成などでは脆すぎた。
意識を失いそうになりながらも必死に耐える司狼。堂々と何も問題はないとばかりに司狼の前に立ったアルフレートは彼なりに最後通告を行う。

「さて、これが最後だ。生か死か?次は無いよ」

見捨てるか、それとも勝てぬと分かって挑むか。明確な実力差を示して問う。その瞳はその行動が事務的にすら見えるほど何も映しておらず司狼ですら一瞬、蛇に睨まれた蛙のごとく膠着してしまう。

「……ハッ」

デザートイーグルの銃弾を放つ。あっけなくそれを逸らしたアルフレートは溜息をつきながら言った。

「残念だよ」

そういって首を断ち切ろうとするが、

「まあ此処で死なすわけにもいかないんで、そろそろ介入させてもらいましょう」

そういってどこからとも無く一人の人物が現れた。金髪に加え煙草、手に持って肩に当ててる銃はデザートイーグル。服装こそ違うが
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