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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十五話 反転した決着
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終わりを告げない。お前はこの夜に溺れてしまえばいいのだ。
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教会内部にて残っていたのは、息も絶え絶えなルサルカと気絶した玲愛、そして白二人の戦いによって吹き飛ばされた司狼の三人だった。誰一人として動くことは出来ない。気絶している玲愛やルサルカは当然、司狼も怪我が治りきっていなかった。十二の形成を砕かれ、その上創造によって体力を奪われ続けているのだ。この場一番マシなのはおそらく玲愛。気絶した彼女は必要以上に体力を消耗することが無い。しかし、それも時間の問題だ。このまま放っておけば気絶したまま衰弱死ということもありえる。司狼は何とかここから逃げ出せる算段を立てなければならない。今外に出るのは無謀だ。二人の戦いは意識してかどうかは知らないものの教会に今の所、被害は殆ど無い。
「となると、地下通路か…」
いまだ動きそうにない体に鞭打ちふらつきながらも何とか立ち上がる。ルサルカの聖遺物を奪ったときに流れ込んだ情報をもとに地下通路をわたる。これが一番安全だ。問題があるとすれば。
「敵と出会ったときに先輩を庇って戦えるかね」
不可能に近いことだ。形成までしか出来ず、それもダメージを負っているため、不完全なものにしかなりえない。
「でもまあ、ここでじっとしてるわけにもいかないし、しょうがねえ先輩抱えていくか」
玲愛を抱えた司狼は地下に向かう。だがそれを見逃す人がこの場にいないわけではなかった。
「流石にテレジアちゃんを黙って連れて行かせるわけにはいかないな」
司狼自身も疲労が激しかったのだろう。彼に声をかけられるまでそこにいることも気が付けなかった。
「ッ!?―――がぁッ!?」
首を掴まれる。玲愛を抱えていた司狼は首を絞められ玲愛を落としてしまうが突如現れたアルフレートが彼女を影で包み込んでいたので大事には至らなかった。
「てめえいつの間に…」
「ついさっきだよ。いや〜ヴィルヘルムが創造してるからどんどん吸われていって結構しんだいんだけどね」
そう言いながら首を絞める力を強めるアルフレート。ギリギリと音を立てながら彼はそのまま歩き地下通路の入り口まで司狼を吊れながら歩く。そして扉を開き司狼を降ろした。
「さて、選択肢を与えよう。君一人ならここを通してあげても良い。道中の安全も保障しよう。異を唱え、テレジアちゃんも救うというならこの場で好きに抵抗すればいい」
行いには相応の対価を。何度も聞いたこの言葉。つまり司狼一人なら見逃すと、不敵に笑いながらそう語っている。現状、司狼は疲弊している。少なくとも今のコンディションで勝てる相手ではないことも聡い司狼は理解していた。だが、
「まあ、無理な相談だわな。一応さ、あんな人でも俺らの先輩だし。何より先輩
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