暁 ~小説投稿サイト~
とある科学の対能力者
科学と魔術
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床に散らばるバラバラに粉砕されたサブマシンガン。
目の前にはサブマシンガンをこんな風にしたであろう少女。
そして少女は自分は超能力者(レベル5)だと言った。
まさか、計画は既に完了しているのだろうか。
わからない、だがどちらにしろ不味い。
メインウェポンとして持ってきたサブマシンガンがこうも呆気なく破壊されるなんて思っていなかったので他に武器と言えるようなものはハンドガンしかなかった。
ミストを使えばいけなくもないがあの距離からサブマシンガンを破壊したのだから多分、ミストが女に到達する前に破壊されるのがオチだろう。
非常に不味い。
オレは舌を打った。

「大人しく降参しやがれっつってんです」

少女は構えながらオレに言い放つ。
構える必要なんかないくせに
そこでふと天井が視界に入る。
その天井には研究所にあるはずもないシャンデリアがあった。
趣味わりぃなここの連中は……
だが助かった。
相手は所詮素人、あれを撃ち落とせばそれに気をとられるだろう。その間に撃ち抜けばジ・エンドだ。
そう思い駆け出した時、オレは全身から血を吐き出した。

「アァ?」

その弾みでその場に座り込んでしまう。
細いワイヤーか何かで切り裂かれたような跡が身体中にあった。
しかし周りに細いワイヤーは勿論そのようなものもなかった。

「それは私の能力で空気を圧縮し刃のようにしやがりその場に固定しやがった所謂(トラップ)ってやつです。切れ味は日本刀並みですよ」

つまり、だ。
その罠にオレはまんまと引っ掛かりこの様ってわけだ。
笑えねぇ……
ということは今も周りには鋭利な刃物がうようよ浮いていると思った方が良い。
てか、良く生きてるなオレは

「アァ…畜生……たりぃ…」

作戦もクソも思い付かない。
なんと言うか本当面倒くせぇ
空気を固定する、こんなことが出来るとしたら大気系能力者。
そして『空気共鳴(エアーリンク)』、その名称からして大気系能力の中でも空気操作系。
サブマシンガンを粉砕したのは恐らく空気を振動させつくった“音”でサブマシンガンと共鳴させて破壊したのだろう。
たまにテレビなどでワイングラスを声で割るといった余興がやっているがその原理なのだろう。
そして空気の圧縮と固定、共鳴、ここまで出来るのは少なく見積もっても大能力者(レベル4)並みの実力。
しかもまだやつは一歩も動いていない。多分まだ手札は大量にあると思われる。それを考慮すると本当にこの女超能力者(レベル5)だ。

「本当笑えねぇよ」

これ終わったら給料増やしてもらわねぇとな。
実際オレは強能力者(レベル3)までの相手としか戦ったことがない。
多分、これは負ける。
だが、それはあの女が敵だった場合だ。

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