暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第16話 刀を打つべし!!え?それどころじゃない?
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父上は自分の
杖剣
(
レイピア
)
の強度に自信が有るのか、全く引こうとしませんでした。しかしその時「ぺキン」と言う悲しい音と共に、父上の
杖剣
(
レイピア
)
の刀身が地面に落ちたのです。
「……馬鹿な」
父上の口から、そんな声が漏れます。父上の
杖剣
(
レイピア
)
は、当然《固定化》と《硬化》を重ねがけしてありました。絶対に折れない自信が有ったのでしょう。私もこんなに簡単に折れるとは思いませんでした。長年愛用していたみたいですし、金属疲労を起こしていたのでしょうか?
その一方で母上は、まるで玩具を買ってもらった子供の様に目を輝かせています。
(相当嬉しいのでしょうね。崩れ落ちた父上が全く目に入っていません)
「……父上。私が責任を持って、父上の新しい
杖剣
(
レイピア
)
を作りますから」
私は父上を慰めました。そんな私に、ディーネとアナスタシアが詰め寄って来ました。
「「私の分は?」」
「父上の分が先です。杖が無ければ、仕事に支障が出ますから」
ディーネとアナスタシアが不満の声を上げます。
「ギルバート。どれ位で出来そうなのだ?」
「母上の剣で材料を使い果たしてしまいました。材料を一から《錬金》するとなると、付きっきりで1週間と言った所です」
「……そうか」
ああ、父上の落ち込みオーラが倍増してしまいた。ソードブレイカー機能なんか、付けなきゃ良かったです。しかも隠し通す心算だったのに、家族内のみとは言えチタンを解禁してしまいました。
私は少しでも早く父上の
杖剣
(
レイピア
)
を仕上げる為、《錬金》でチタンを作る作業をしていました。
そこに来客の知らせが有りました。
私はこの時期に、客が来るのが信じられませんでした。山場は過ぎたとは言え、未だにドリュアス家はクールーズ領を安定させるのに大変なのです。客を歓迎している余裕は残念ながら有りません。となると、余程大切な要件が有ると見て良いでしょう。
客間に入るとそこに居たのは、
公爵夫人
(
カリーヌ様
)
でした。となると、要件は決まっています。
「ギルバート。マギの行先を聞いてないか?」
父上が聞いて来ます。事前の打ち合わせの通りです。
「私達が帰って来たら、すぐに旅に出たじゃないですか。それに『2〜3年は帰って来ない』と言っていました」
私の言葉に、カリーヌ様の顔が歪みました。
「それは知っている。私が聞いているのは、マギの旅の目的地だ」
「……いえ。特に聞いていません。……あっ。ガリアとゲルマニアに行くみたいな事を言っていました。後は、ツェルプストーに行くかどうか迷っていると……。私が知っているのはそれ位ですね」
「爆発魔法について何か聞いていませんか?」
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