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ヴァレンタインから一週間
第2話  式神使い
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。しかし、俺の瞳には、長門さんから魂と魄の存在を感知している」

 俺は、大きな陰の気に支配されつつある、長門有希と名乗った少女型人工生命体に、そう語り掛けた。
 但し、俺の見鬼の才では、完全に魂の存在の有無を見極める能力は有りません。つまり、漠然とした感覚で、彼女に魂魄が存在している、と言う事が判る程度の能力しかない、と言う事なのです。しかし、今、この場で否定的な気を発している彼女に、そんな更に落ち込むような事を告げても意味はないでしょう。

 そう思い、更に言葉を続ける俺。

「長門さんの与えられている仕事が何かは判らないけど、人の姿を似せて造られた存在で有る以上、そこに魂が発生する可能性は有る」

 人形などに魂が宿り、動き出すような話は古今東西、何処にでも転がって居ます。

「まして、器物百年を経て、化して精霊(=魂)を得る。と言う言葉も有る。
 言葉には言霊が宿る。この言葉に籠められた霊力(ちから)が現実に及ぼす影響力と言うモノも存在している以上、例え長門さんが造られた存在だとしても、それだけで貴女に魂がない、と言う証明には成り得ない」


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