第2話 式神使い
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ません。見鬼を使用した上に、彼女から発する気の中に、俺を陥れてやろう、とか、騙してやろうと考えていないかを確認する為の作業です。
行き成り黙って仕舞った俺を、ただ見つめ返す長門有希。その、清楚と表現すべき容貌からは一切の余分な感情を読み取る事は出来ず、彼女から発せられる気は、希薄な中に、寂寥と達観が強く感じられるだけで有った。
……いや、ほんの少しだが、微かな希望に似た色を感じ取れるようになった気がするな。
それに、少なくとも邪悪な存在ではない。そして、どんな任務が有るのかは判らないけど、彼女が現状では、この世に対して悪意を持っていない事だけは確実。
「もし、俺を信じて貰えるのならば、俺には長門さんを助ける手立てが有る。
但し、その方法に少し問題が有って、長門さんが完全に納得した上で無ければ為す事が出来ない方法なのだが……」
かなり言い難い方法なので、奥歯に物の挟まったような、非常に歯切れの悪い口調でそう告げる俺。流石に、初見の相手。それも、かなりの美少女相手では問題が有る方法なのですが。
突如、様子の変わって仕舞った……少し挙動不審と言えなくもない様子の俺を、そのメガネ越しの暖かなとは言い難い瞳で見つめる長門有希。
そして、
「具体的に説明して貰えなければ、検証は出来ない」
……と、そう呟くように言った。
そして、それは当然の言葉だと思います。俺が彼女の立場ならば、間違いなしにそう聞き返しますから。
但し、そう俺に告げた時の彼女から、先ほどまでよりも更に大きくなった希望の光のような物を感じた。
俺は、ひとつため息を吐くかのように、肺に残った空気を吐き出す。確かに、相手は人間では有りません。しかし、それでも自らの生命を失うよりは、多少のリスクは存在する可能性も有るけど、この目の前の存在……つまり、俺の言葉に乗って見ても良い。少なくとも、座して死を待つよりはマシと考えて居たとしても不思議では有りません。
まして、俺も、彼女の死を望んでいる訳でも無ければ、彼女をこの世界から強制的に排除したい訳でも有りません。
それならば、
「さっきも見て貰った通り、俺は式神使い。異世界の存在を友と為し、彼らと友誼に基づく契約を行い能力を貸して貰う存在。
そして、彼らが、この現実世界で過ごす為に必要なエネルギーは、すべて俺が賄っている」
先ほど召喚して、俺と長門さんとの間を飛び交っている風の精霊を指し示しながらそう告げる俺。そうして、
「そして、さっき長門さんを見つめた時に判ったのは、彼らが受肉したり、魔法を使用したりする際に俺が消費するエネルギーと、長門さんがこの世界で活動したり、身体を維持したりする為に必要なエネルギーは、ほぼ同一の物
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