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ヴァレンタインから一週間
第2話  式神使い
[後書き]

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 先ず、何故、一九九九年七月七日生まれの彼女が、二〇〇二年二月十四日段階で、齢百五十歳以上の存在と成っているのか。

 それは、彼女が、原作小説内に置ける事件、笹の葉事件を50回以上繰り返した存在だからです。

 製造されたのは一九九九年七月七日。
 そして、三年間の待機任務の後、二〇〇二年七月七日に起きる笹の葉事件に因って切り離された長門有希の記憶は、一九九九年七月七日に跳ばされて、製造直後の長門有希と同期する。
 そして、また三年の待機任務の後、再び……。

 この作業を五十回以上繰り返した結果出来上がったのが、この物語上の長門有希だと言う事です。
 あの事件を起こさなければ、未来人の歴史が変わる為に、このループは永遠に続くループと成るはずですからね。長門有希に取っては。

 故に、彼女から発生している気が、寂寥や達観だったと言う訳です。

 まして、彼女は、朝倉涼子暴走事件を五十回以上、未然に防げるにも関わらず、情報思念体の命令通り見過ごして来た存在でも有る、と言う事です。
 もっとも、原作小説内の長門も本来は二度目以降の存在のはずなのに、何故か、キョンのピンチになるまで助けに入らなかったり、カマドウマの事件の事件発生も無視したりしましたが。

 この辺りに関しては、未来人に因る歴史の改竄が行えない、と言う朝比奈みくるの言葉を裏付ける部分なのでしょう。

 但し、それならば、そもそも、その笹の葉事件自体が起こらないはずなのですが。

 何故ならば、過去のハルヒと未来人のキョンが、更に未来人のみくるの介入により出会わなければ、起こらない事件ですからね。『笹の葉事件』とは。
 御都合主義の結果か、無自覚な神、涼宮ハルヒがそう有るべきと望んだか。

 それとも、ハルヒに能力を与えた、はた迷惑な神が望んだ結果なのか……。

 その辺りが、原作小説世界と、この涼宮ハルヒに似た世界(平行世界)の分岐点と成っていると思って貰えると有り難いです。

 それでは、次回タイトルは『人魚姫のルーン』です。

 いきなり、ゼロ魔の世界のような題名ですが……。

 追記。
 この世界の長門有希が、情報統合思念体との交信が途絶えている理由は、ある程度の科学的根拠が有ります。
 そして、それは、本来ならば涼宮ハルヒの世界には有り得ない理由。タイムパラドックスに因る理由です。

 つまり、この世界には、タイムパラドックスが存在して居り、未来人による歴史の改変が行える世界だと言う事でも有ります。
 それで無ければ、一九九九年に発生した黙示録で滅びたはずの世界を……。
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