第51話
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は今もバチカン図書館の奥の奥で厳重に管理されている筈だぜい。」
「神裂、お前本当は分かってただろう?
この一件には裏があるってこと。」
「・・・・・・・・はい。
黙っていてすみませんでした。」
神裂は麻生の方に身体を向けると頭を下げてきた。
「俺は謝罪を求めた訳じゃない。
それで満足か?
自分のいた所が今も変わらず同じ道を進んでいる事が分かって。」
麻生がそう言うと再び視線をオルソラ教会の中で戦っている天草式達に向ける。
その表情はとても優しげな目で懐かしむようなものだった。
「彼らがいるのなら、私がいなくても天草式は正しき道を進めるでしょう。
彼らはとても強くなりました。」
「うむむ。
おそらく苦戦しているだろうけど、助けに行かんでいいのかにゃー?」
土御門は金属でできた落下防止用の手すりに両手を置いて、オルソラ協会を見つめる。
「・・・・・・・・・」
神裂の目から見ると戦況は明らかに劣勢。
質では上条達が有利だが量では圧倒的にあちらが有利だ。
今は何とか出来ているがやがて物量に押し負けてしまうだろう。
「私には、彼らの前に立つ資格などありません。」
神裂はそう言ったが手すりに置いている手がカチカチと震えていた。
おそらく今にでも駆けつけたいのだろうが、いらぬ想いが邪魔しているのだ。
土御門が行ってもあの戦況を変えることは出来ない。
だが、此処にはもう一人いる。
聖人を凌駕するだけの能力を持った男が一人。
麻生恭介はただじっとオルソラ教会を見つめていた。
「・・・・・・・・・あなたに頼んでもいいでしょうか?」
「・・・・・・・」
神裂の問いかけに麻生は答えない。
それでも神裂は言葉を続ける。
「彼らを・・・あそこにいる彼らを助けてあげてくれませんか。」
まるで悪いことを正直に話す子供の様に神裂は麻生に言った。
三人の間に沈黙が流れる。
次の瞬間には、麻生のため息が聞こえたと思うと麻生は手すりに手を置いて言う。
「どちらにしろ、ステイルに一度顔を合わせないといけないしな。」
麻生の言葉を聞いた神裂は思わず笑みを浮かべる。
「だがな、火織。
そのままではお前は俺の言葉の意味は一生分からないぞ。」
麻生の言葉に神裂は浮かべていた笑みが消えた。
「あいつらがどんな思いで強くなろうとしているのかよく考えるんだな。」
その言葉を残して麻生はビルから飛び降りる。
身体に感じる風を操り空中に浮かぶと、そこらの自動車よりも速い速度でオルソラ教会に向かう。
神裂はただ呆然と麻生の言葉について考えていた。
「しっかし、ねーちんはまた麻生に借りができちまったな。」
不意に土御門の
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