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とある星の力を使いし者
第51話
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静かに言い放つがその声には確かに怒りの感情が混ざっている。
神裂は騎士派とは関わりがあるので尚更怒りが増してくる。

「だ、黙れ!!
 大人しくその刀を捨てろ!!」

神裂の声に怯えながらも騎士は吼えた。
それを聞いた神裂は見損なったような表情をしながらもう一度ため息を吐く。

「おい、ため息なんかついていないで俺を助けろ。」

剣を首筋に突き付けられているにも関わらず麻生は怯えることなく、今まで通り普通の声で神裂に助けを求める。
二人の騎士は麻生が全く怯えないことに困惑している。
対する神裂もいつも通りに麻生に話しかける。

「あなたの実力なら簡単に抜け出せるでしょう。」

あまつさえこの状況をこの男一人で抜け出せると言い出した。
それを聞いた麻生はため息を吐いた。

「お前、自分で言ったことを覚えていないのか?
 俺がこいつらを倒したら色々問題が起こるんだろ?」

「確かにそうですが、その二人には一度痛い目を見てもらわなければなりません。
 私ではどこか手加減してしまうので、あなたがしていただくほうが色々と彼らにとっていい経験になるでしょう。」

「さっきといっている事と真逆じゃねぇか。」

「責任は私が取ります。」

はぁ〜、と麻生がもう一度ため息を吐く。
二人の騎士は訳が分からなかった。
この男は命の危険にさらされているのにそれを全く感じさせない態度をとっている。
方や、この女も慌てるような態度も一切出さない。
どうなっているのだと、二人の騎士が思った時、神裂がまるでその疑問を悟ったかのように答えた。

「あなた達に一つだけ言っておきます。
 そこにいる彼は私よりも断然強いですよ。」

「「は?」」

二人が声を上げた時だった。
麻生は首筋に突き立てられている二本の剣を両手で掴み取ると一瞬で握りつぶしたのだ。
騎士達の顔に驚きの声が上がる。
聖人でもない人間に剣の刀身を握りつぶすほどの握力はない。
何より思いっきり握れば自分の手が切断されてしまう。
それに騎士の持っている剣は普通の剣ではなく魔術礼装が付加されている剣だ。
普通の人間に握りつぶす事など不可能なはずだ。
騎士達が驚いている隙に麻生は右側にいる騎士のわき腹に左肘を入れる。
コン、と音と同時にとてつもない衝撃が騎士を襲いそのまま海まで吹き飛ばされてしまう。
左側にいる騎士には左手で顔面を掴むとそのまま地面に叩きつけた。
声を上げることなく二人の騎士の意識が途切れてしまった。

「大丈夫ですか?」

神裂は麻生に近づいて聞いた。
麻生は神裂を軽く睨みながら言う。

「見ての通り無傷だ。
 本当に俺が倒したが大丈夫なんだろうな?
 明日、俺に部屋に魔術師が強襲してくるなんて事な
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