休日1
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シダの声を聞く。
「どうやら、主がおるんですわ」
「ヌシ?」
異口同音に皆が聞き返すと、ニシダがメガネをくいっと押し上げ言葉を続ける。
「村の道具屋に一つだけヤケに値の張る釣り餌がありましてな。ものは試しとつかってみたことがあるんです」
固唾を呑んで話の続きに耳を傾ける。
「ところが、これがさっぱりつれない。散々あちこちで試したあと、ようやくあそこ、唯一難易度の高い湖で使うんだろうと思い当たりまして」
「釣れたのか?」
ゲツガが代表して聞く。
「ゲツガ君、目上の者に対しては少し丁寧な言葉遣いにしたほうがいいよ」
ユキがそういう。
「う〜ん、そうだな。そうするか」
「おい、それよりも話を止めるな」
「すまんすまん、続けて……ください」
そう言ってニシダのほうを向く。
「ええーと、何処からだったかな……ああそうだ、あの湖でようやくヒットしたんです。でも、私の力では取り込めなかった。竿ごととられてしましましたよ。最後にちらりと影を見たんですが大きいなんてものじゃありません。ありゃ怪物、そこらにいるのとは違う意味でモンスターですな」
ニシダが両腕をいっぱい広げて言った。
「わあ、見てみたいな!」
「うん!」
目を輝かせてアスナとユキが答えた。
「そこで相談なんですがキリトさん、ゲツガさんどちらか筋力パラメーターに自信がありますか……」
そう言うとニシダ以外の視線が全てゲツガに集まった。
「……俺?」
「一番高いのゲツガ君だもん」
「そうだよ。多分、私の知る中ではゲツガ君しかいないもん」
「俺もそう思う」
そう言ってキリトはゲツガを指を指してニシダに言う。
「こいつが、一番高いんで」
「そうですか!じゃあ一緒にやりましょう!」
目を輝かせて、ニシダはゲツガを見る。
「でも、俺、釣りのスキル入れてないぞ」
「大丈夫です!魚が食いつくまでは私がやるんで、そのあとの引く作業だけで構いませんから!」
「釣り竿でスイッチか……なんか新しい発想だな」
「ねえ、面白そうだからやってみてよ」
アスナが挑戦するように促す。
「一回ぐらいやってみようよ」
ユキも促してくる。
「うーん、じゃあ、ニシダさん。手伝わせていただきます」
そう言うと、ニシダは満面の笑みを浮かべてそうこなくちゃと、笑った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日も暮れて、ゲツガたちは自分たちの家に戻ってきていた。
「今度が楽しみだね」
ユキが布団のなかに寝転んで言う。
「そうだな。どんな奴か見てみたいな」
「かなり大きいらし
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