第六話『シュバルツェ・ハーゼ』
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た移動を開始したので、スウェンはそれについていく。
「君の部屋はここだ。軍服は中にある、着替えてきたまえ」
スウェンはその言葉を聞き、部屋の中へと入る。
「ほう、広さもそこまで狭くはないのか。軍人に与えられる部屋にしては良いものだ」
ベッドの上にある軍服を目にしそれに手をかける。そして直ぐに着替え終えると鏡の前に立つ。
「軍服という物ををまた着ることになるとはな……にしても」
スウェンは軍服の色に注目する。“黒”という名のつくだけあって、軍服は黒い。
「……悪い色ではないな」
それなりに気に入ったスウェンであった。着替えた私服をロッカーの中に入れ、部屋を出る。外に居たシュハイクはスウェンの軍服姿を見て「おお」と声を出す。
「なかなか様になっているじゃないか。似合っているぞ?」
「恐縮です。隊長、一ついいですか?」
「言ってみろ」
「何故服のサイズが合っているのか質問しても?」
「私を舐めるなよ?」
「いえ、答えになっていないのですが」
「細かいことはいい、早速君と隊員の顔合わせをしてもらう」
「了解」
/※/
「本日より“シュヴァルツェ・ハーゼ”に入隊したスウェン・カル・バヤン少尉であります」
スウェンは視界の先に居る“シュヴァルツェ・ハーゼ”の隊員達に敬礼をしつつ自己紹介をする。隊員達は表情を一切崩さず、スウェンを見ている。
「彼はこれから共に訓練をしていく仲間だ。皆、よろしく頼むぞ」
「「「はっ!」」」
声を合わせて応答する隊員。スウェンは隊員達に共通する点を見つける。
眼帯だ
シュハイクもそうだったが、隊員全員は左目に黒い眼帯を着用している。シュハイクの隣居る副隊長であろう女性もだ。何か眼帯には象徴的なモノでもあるのであろう、と推測する。すると、一人の少女が手を上げる。
「ん?どうした?」
隊員達の列が割れ、その挙手をしている少女の姿がはっきり見えるようになる。その少女の姿を見て、スウェンは一瞬表情を変える。何故なら、その少女は
(背の高さや目の色は違うが……まるでリズそのものだ)
そう、その少女の外見は多少違えど、リズの生き写しだからだ。
「君は……確か『ラウラ・ボーデヴィッヒ』だったな」
「はい、隊長。私に発言権を頂けませんか?」
「許可しよう。何だ?」
「何故男などという下等種がこの“シュヴァルツェ・ハーゼ”へ? 話を伺えば、上層部も動いたとか。私には理解できません」
ラウラの言葉に、シュハイクは顎に手を添える。彼女の隣に居るクラリッサは
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