一刀の刀
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「これは?」
「お前の刀だ。
この刀を基本に作って貰った。」
それを聞いて眼を見開き、ゆっくりと鞘から刀を抜く。
長さは俺のより少し短い。
両手で握って、俺と修行するかのように軽く振う。
若干のぎこちなさはあったが。
「初めて真剣を手にするから違和感はある筈だ。
それを徐々に慣らして、自分の腕のように扱えるようにしろよ。」
「う、うん・・・・」
歯切れの悪い返事に俺は少しだけため息を吐く。
こいつの考えている事は大体分かっている。
「怖いか。」
「ああ、怖い。
俺の手に人を殺せる道具がある事が。
そして、今実感した。
俺もいずれは人を殺すんだって。」
自分の気持ちを正直に話す一刀。
俺も最初はもの凄く怖かった。
一刀の気持ちはよく分かる。
前世の世界ではこんな事とは無縁の世界だから。
「お前はどんな覚悟で戦うつもりだ?」
「覚悟?
・・・・・・・俺は。」
少しだけ考えてから一刀は言葉を発する。
「出来る限り人を殺したくない。
これはびびっているとかじゃなくて、人が死ぬのはやっぱり悲しいから。
もちろん、戦わないといけないのなら戦う。
でも、出来る限り人は殺したくないし、死んで欲しくない。
この覚悟は甘いか?」
「チョコレートパフェより甘いな。」
「だよな。」
「でも、それでいいんだよお前は。
人を殺すのに慣れてはいけない。
その覚悟でお前はいいんだよ。」
「縁・・・・ありがとう。」
「よし!
早速修行するぞ。
まずは重い一撃をいなすところからだ。
上手く扱えないとその刀は一撃で折れてしまうからな。
某世紀末の病人も言っていただろう?
激流を制するのは静水。
お前の目指す剣は剛の剣じゃなく、柔の剣を目指す事になる。」
「あまり力は強くないし、そっちの方がマシっぽいな。」
「さぁ、行くぞ!」
「来い!!」
俺と一刀は心機一転の心もちで剣を握るが。
「盛り上がっている所を悪いわね。」
剣のように鋭い言葉が俺の背後から聞こえた。
ゆっくりと振り返ると、明らかに怒っている雰囲気を纏った華琳が立っていた。
「か、華琳?
どうした、てか何で怒っている?」
「自分の胸に手を当ててみなさい。」
なぜ怒っているのか分からない俺を見て、さらに不機嫌になっていく。
言われた通り俺達は胸に手を当てて考えて。
「「あっ。」」
「思い出したようね。
縁は警邏の途中、堂々とさぼり。
一刀は頼まれた政務を放棄。
二人して私を怒らせたいの?
だとしたら、とても効果が出ているわよ。」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!、
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