第十二話 龍を喰らうもの
[7/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ハも今の孫の言葉にハッとした。
「ガンエデンの言っていたことと同じ」
「ああ」
ブリットはクスハのその言葉に頷く。
「そうだ。全く同じだ」
「まあそうかもね」
孫の方もそれは認める。
「ひょっとしたら。そういえば」
「そういえば!?」
「君達の龍王機と虎王機は遥か過去にガンエデンから離反していたね」
それについて言及してきた。
「けれど心配は要らないよ」
「それはどうしてですか!?」
「もうガンエデンはいないからさ」
クスハへの答えはこうであった。
「君達がその手で倒してくれたからね」
「イルイちゃんはまだ」
「力はなくなったってことさ」
冷静にクスハに述べる。
「それで充分だろう?」
「うう・・・・・・」
「あの人造神はいなくなったけれど僕と真龍王機は本来の正義を遂行させてもらうよ」
「その正義とは?」
今度はレーツェルが孫に問うた。
「何なのだ?」
「さてね」
その質問にも答えない。楽しんでいるように。
「ただ」
「ただ?」
「真龍王機は龍王機と虎王機にちょっとした恨みがあってね。少し暴れさせてもらうよ」
「まさか」
「危ないクスハ!」
虎龍機の周りを雷が襲う。
「きゃあっ!」
「早くコクピットの中に!」
「え、ええ!」
クスハは慌ててコクピットの中に入る。間一髪であった。
「おやおや」
孫はクスハが何とか逃げ延びたのを見てまた楽しそうに声をあげるのだった。
「運がいいって言うべきかね。これはまた」
「貴様っ!」
ブリットはそんな彼を見据えて叫ぶ。
「武器を持たない相手を!」
「それがどうかしたのかな」
ブリットの言葉に平然とうそぶく。
「何っ!?」
「敵は機会を見て倒す」
平然とした口ぶりだった。
「それが僕の流儀でね。この落雷だって」
「くっ、また!」
「ブリット君!」
クスハが叫ぶ。
「このままだと」
「わかってる。けれど」
落雷はかわすしかない。苦い決断をしようとしたその時だった。
「喝っ!」
ゼンガーが気を放った。それで。
「嘘・・・・・・」
「落雷が止んだ」
これには驚きを隠せない二人だった。
「気迫だけでそんなことができるなんて」
「流石はゼンガーさん」
「へえ、感服感服」
だが孫の調子は相変わらずであった。
「念者でもないのに気合で真龍王機を圧倒するとはね」
「大したことではない」
ゼンガーは孫を見据えて答える。
「この程度はな」
「おや。へえ」
孫はまたおかしそうな声をあげてきた。
「真龍王機が言っているよ」
「何とだ?」
「君に良く似た男を知っているってね」
「そうか」
「それに」
今度はレーツェルを見て言う。
「君もね。もっともそちらの場合は女性みたいだけれど」
「思い出話がしたい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ