第十二話 龍を喰らうもの
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「むっ!」
突き進んできたブリットに対して一撃を浴びせてきた。
「これならばどうする!」
「それでも!」
何とゼンガーの太刀を己の太刀で受け止めた。
「そしてっ!」
そのまま一撃を浴びせる。袈裟に切った。
「やった!」
勝利を確信して喜びの声をあげた。
「笑止!!」
「なっ!」
ゼンガーはまだ立っていた。そして。
「チェストーーーーーーーーッ!」
「うわあああーーーーーーーっ!」
ゼンガーの一撃を受けて吹き飛ぶ。勝利が一瞬にして敗北になってしまったのだtt。
「まさか・・・・・・こんな」
「安心しろ、峰打ちだ」
ゼンガーはマシンごと倒れ伏すブリットに対して告げた。
「み、峰打ちって。そんな」
「武人は常在戦場」
そうブリットに告げる。
「最後の一瞬まで気を抜くな」
「最後の一瞬までですか」
「そうだ」
またブリットに告げる。
「御前に足りないのはそれだ」
「俺に・・・・・・」
「最後に勝ったと思ったな」
「は、はい」
その言葉に頷く。
「その通りです」
「そこに隙が出来たのだ」
「隙が、ですか」
「勝利を確信した瞬間にな」
また告げる。
「御前の心に隙が出来たのだ。それが身体にも現われた」
「そうだったんですか」
「勝って兜の緒を締めろだ」
こうも告げる。
「わかったな」
「は、はい」
あらためて頷く。痛いが強い教訓であった。
「これで一通りの修行は終わりだ」
「わかりました。けれど」
「どうした?」
ブリットの様子を見てまた声をかける。
「何かあるのか?」
「はい、いつも稽古をつけてもらっていますよね」
「うむ」
それは認めて頷く。
「その通りだ」
「俺、強くなったんでしょうか」
「それはわからん」
ゼンガーはそこは突き放した。
「わからない、ですか」
「俺が教えたのは剣の型」
そうブリットに告げる。
「強さの入り口に過ぎん」
「そうだったんですか」
「そうだ、真の強さを身に付けられるかは御前自身の心にかかっている」
「俺自身のですか。それじゃあ」
ここでブリットはふと気付いた。
「それは禅のようなものですか?」
「難しく考える必要はない」
だがゼンガーはそうではないとも言うのだった。
「これまでの多くの戦いで御前の身体は自然に動いたのではなかったか?」
「えっ!?」
「そうではないのか?だからこそ」
「俺の身体が。自然に」
「身体は正直だ」
これこそがゼンガーの言いたいことであろうか。
「不思議と自然に出るものなのだ」
「はあ」
「そして心もな」
「そうなんですか」
「それはより多くの修業と戦いで身に着けていく」
またしても突き放す形となった。
「自分でな」
「わかりました。じゃあこれからも」
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