第十話 内なる修羅
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ここに!」
「友よ!」
レーツェルも共に前に出た。
「今こそ動く時」
「うむ!」
「私も共に動こう。今このトロンベと共に!」
「頼む!」
二人はそのまま動きを合わせた。その動きはさながら二つの竜巻であった。
「参る!」
「我が心と共!」
二人は疾風の様に前に出た。そうして敵を次々と屠っていく。彼等はまさにその動きで戦争が数だけではないということを示したのだった。
敵は次々と消えていく。ヒドラーはそれを見て歯噛みせずにはいられなかった。
「おのれ!小癪な!」
「小癪なとは心外だな」
レーツェルは不敵に笑って彼に言葉を返した。
「実際にこちらが数だけではないということを見せているのだからな」
「その通りだ!」
ゼンガーが目の前の敵を両断して答えた。
「数ではない!心があってこそ!」
「心だと!」
「それを今見せている!貴様と!そして!」
トウマを見る。彼もまた必死に戦っていた。
「これからの世界を救う若者に!何が最も貴いのかを!」
「この世で貴いものはただ一つよ!」
ヒドラーにとってはそうであった。鬼達にとっては。
「我が百鬼帝国の悲願!地上での永遠の繁栄よ!」
「そんなものの為にか!」
「知れたことを言うな!」
ヒドラーは感情を露わにして反論してきた。
「貴様等に何がわかる!我等のことがな!」
「わかっていると言ってもわかっていないと言うのであろう」
ゼンガーもそれはわかっていた。
「では言おう!貴様等には貴様等の正義があるとな!」
「そうだ!」
ヒドラーもそれを肯定してみせた。
「その為に!我等とて手段は選ばんのだ!」
「かつての恐竜帝国と同じようにか」
レーツェルはそれを知っていた。だからこその言葉であった。
「そうして地上を目指すか。彼等と同じように」
「我々もまた同じなのだ」
ヒドラーの今の言葉は何処か自嘲が入っていた。
「地上に出なければ!滅ぶしかないのだ!」
「ではこちらも受けて立とう!」
ゼンガーはヒドラーのその言葉を受けたうえで叫んだ。
「我等人類を守る為!貴様等を防ぐ!」
「やってみせよ!ここでな!」
ヒドラーはさらに援軍を繰り出した。それはこれまでにない数であった。
「多い」
シャニはその敵を見て呟いた。
「何処まで出るんだ」
「多い少ないはもう関係ないさ」
そう言うクロトにも流石に疲れが見えはじめていた。
「ここまで来たらさ。もう」
「遠慮はする必要はねえだろうよ」
オルガは不敵な笑みを浮かべていた。
「だろう?劾さんよ」
「御前達まだ戦えるのか?」
劾はそれを受けて三人に問い返すのだった。
「燃料も弾薬もかなり消耗している筈だが」
「楽勝!」
「まだ派手に暴れられるぜ!」
「いける」
三人は平気な顔をあえて作って答
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