第十話 内なる修羅
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ですから」
「ミナキ君には賛成できませんか」6
「全く」
アズラエルははっきりと言い切った。
「正直あの場面はむっときましたね」
「そうですか」
「顔には出さないつもりでしたが。それにしても」
「トウマ君には降りて欲しくはないですが」
「それも一体どうなるか。わかりませんね」
「問題は彼自身です」
ユウナはこう述べた。
「落ち込んでなければ問題はないでしょうけれど」
「今は無理ですね」
アズラエルはシビアなことを言うのだった。
「あれで落ち込まないというのは有り得ません」
「そうですね。やはり」
「誰かが励ましても。果たして」
「難しい話です」
「もっとも彼にロンド=ベルを去ってもらうつもりはありません」
アズラエルはこれに関しても言い切るのだった。むしろこちらの方が言葉も表情もしっかりとしたものであった。かなり強くなっていた。
「決してね」
「では僕もその方針でいきましょう」
実はユウナは最初からそのつもりだった。
「彼にはいてもらわないと」
「そういうことです」
笑顔でそう言い合うのだった。この時トウマは大空魔竜の格納庫から出撃しようとしていた。ここでボルフォッグ達に囲まれた。
「あれ、何であんた達」
「いえ、実はですね」
「俺達ここにずっといるからよお」
まずはボルフォッグとゴルディマーグが彼に声をかけてきた。
「トウマ隊員に偶然御会いしたわけです」
「たまたまだぜ」
「そうか、たまたまか」
演技だとわかっていたがそれでもトウマは彼等の言葉を受けた。悪い気はしなかった。
「そのたまたまにですね」
「僕達からのプレゼントがあるんだ」
今度が氷竜と炎竜が彼に言う。
「プレゼント?」
「そうさ、これさ」
「よかったら受け取ってくれ」
それはGGGの隊員証だった。マイクがトウマの胸にそれを付ける。
「トウマこれでマイク達の仲間ね!」
マイクは目を笑わせてこう言った。
「いっつも心は一緒だよ!」
「心は一緒か」
「そういうこと」
「いつも同じですよ」
光竜と闇竜がトウマに対して言う。
「ですからトウマ隊員」
「勇気を忘れるんじゃねえぜ」
「ああ、わかった」
ボルフォッグとゴルディマーグの言葉である。それを受けたトウマは晴れ渡った顔で彼等に応えた。今まで沈んでいた顔が嘘のようであった。
「じゃあ。まずは頑張って偵察行って来るぜ」
「御願いしますね」
「気合入れていけよ」
「ああ!」
トウマは笑顔でその言葉に応える。そうして沈んだ気を取り直して偵察に出るのであった。
トウマはまずは単身で偵察に出た。だがすぐに一個小隊が彼のところにやって来た。
「何処の小隊だ、一体」
「よおトウマさん」
「寂しい思いしていない?」
「来たぞ」
何とオルガ、クロト
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