第十話 内なる修羅
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えない」
「嫌な状況だ」
シンとカガリはまた言った。
「けれどな。そんなに言うんだったら耐えてやるさ」
「トウマの為にな」
「頼む」
アスランが二人に少し頭を下げた。
「トウマさんの為にも」
「それにしても。トウマさんも大丈夫かな」
キラがふと呟いた。
「落ち込んでいるってことかな」
「いえ、何か少し違うみたいです」
キラはそうユウナに言葉を返した。
「違うって?」
「何かおかしくないですか?今のトウマさん」
キラは不安げな顔で言う。
「変な闘志を感じますし」
「闘志ねえ」
ユウナはキラからその言葉を聞いて眉を顰めさせる。
「そういえば変な感じもするね」
「今までのトウマさんにはなかったですよね」
「うん」
ユウナはその言葉に頷く。
「それまではただ必死なだけだったけれど」
「今日のトウマさんは何か」
「危ないかな、一人だと」
ユウナは怪訝な顔になった。
「どうすればいいかな」
「僕が出ましょうか」
キラが申し出て来た。
「ここは」
「いや、キラ君は残っておいて欲しいな」
「どうしてですか?」
「君も冷静じゃないからだよ」
ユウナはそうキラに告げた。
「自分でわかっていると思うけれど、それは」
「ええ」
ユウナのその言葉に頷く。
「それは認めます。やっぱり」
「そうだね。だから君は待機しておいて欲しいんだ」
「わかりました。それじゃあ」
「当然君達もです」
アズラエルはシン達三人にも言う。
「ここは待機してトレーニングでもしておいて下さい」
「わかりました」
アスランがアズラエルに応える。
「じゃあシン、カガリ」
「・・・・・・ステラ達のところに行って来る」
「ジュドー達と約束がある」
二人はそう理由をつけた。そうして立ち去ろうとする。
「そこでするさ」
「悪いがな」
「そうか。じゃあ俺もディアッカ達のところへ」
「キラ君、そういえば」
「はい」
アスラン達三人が去ろうとしたところでユウナはキラにも声をかけた。
「サイ君達が呼んでたよ」
「サイがですか」
「何でも飲むそうだし。どうかな」
「お酒ですか」
「いつも飲んでるじゃないか」
そうキラに言う。
「何も嫌がる必要はないんじゃないかな」
「わかりました。それじゃあ」
キラも彼の言葉に頷いた。そうしてその場を去るのだった。
アスランもシンもカガリももう部屋にはいなかった。残っているのはユウナとアズラエルだけになっていた。二人もどうにも難しい顔をしたままだった。
「因果なものですね」
アズラエルが先に口を開いた。
「こうしたことを制止しなければいけないとは」
「じゃあアズラエルさんも」
「僕だって感情はありますよ」
笑ってこう述べる。
「ましてや価値観とかモラルもね。
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