第十話 内なる修羅
[17/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いているだけであのバーサーカーシステムより危険なのはわかるけれど」
「さっきのトウマ君ですが」
「ええ」
レインの話は続く。ミサトとリツコ、そしてミナキはさらに彼女の話を聞く。
「彼はシステムLIOHのファィナルモードに入っていました」
「ファイナルモード!?」
「それは何!?」
「システムLIOHの力を全て使った状態です」
「あれが・・・・・・」
それを聞いてミナキの顔がさらに蒼くなった。
「あれがシステムLIOHの」
「パイロットの闘争心を極限まで出したうえでその能力を最大限まで引き出しますが」
「副作用があれね」
ミサトの顔は暗く固まっていた。
「あのトウマ君なのね」
「そうです。敵味方関係なく襲い掛かるようになり」
それだけではないという。
「パイロットの命を全て搾り取ります」
「命を」
「そうです。つまり特攻用のモードです」
「恐ろしいものを考えついたものね」
リツコも流石に言葉がなかった。
「そこまでだったなんて」
「じゃあ私は・・・・・・」
ミナキの表情が崩れていく。
「そんなものをトウマに・・・・・・」
「やっとわかったようね」
ミサトはそのミナキに顔を向けて言うのだった。
「自分の今までに。もう少しで取り返しのつかないことになっていたわよ」
「はい・・・・・・」
泣いていた。涙で顔が崩れている。
「私はトウマに・・・・・・。トウマに酷いことを」
「わかったのならいいのよ」
ミサトは優しい声になっていた。
「人間っていうのはね。何度も頭を打つものよ」
「頭を・・・・・・」
「逆に言えば打たないとわからないのよ」
こうも言った。
「痛みと共にわかるのよ。少しずつ」
「そうなんですか」
「そうよ。だから今はトウマ君に謝ればいいわ」
「はい・・・・・・」
ミサトのその言葉にこくりと頷く。泣きながら。
「トウマ君もきっと許してくれるわ。安心して」
「わかりました。けれど」
「彼はきっと戦うわ」
今度はリツコが告げた。
「倒れない限りは。それも安心していいわ」
「けれどもう」
ここでミナキは言うのだった。
「トウマには。彼には」
「システムLIOHね」
「はい。私はあれを封印します」
涙をそのままにしての言葉であった。
「お父様の残した悪魔の遺産を」
「それでいいのね」
「はい」
こくりと頷いた。
「決めました。もう」
「わかったわ。じゃあそうしなさい」
リツコはミナキのその考えを受け入れた。
「貴女の望むように」
「有り難うございます。それじゃあ」
ミナキはミサト達に頭を下げてからその場を後にした。ミサトはそんな彼女を見送りながらリツコとレインに対して言うのだった。
「彼女も。やっとわかったわね」
「そうね」
リツコがミ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ