第十話 内なる修羅
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われてやっと状況を思い出す。
「このままじゃ巻き込まれるな」
「そうだ。今のトウマさんは手に負えない」
アスランの声は苦々しげだった。
「ゼンガーさんに任せるしかない」
「わかった。じゃあステラ」
「うん」
ステラが頷いたのを確認するとスティングとアウルにも声をかけた。
「御前等も」
「やっぱりついでかよ」
「何だかな」
そんなことを言いながらも彼等も退く。その間にもトウマはセゼンガーに破天荒な攻撃を浴びせ続けていたのであった。
ゼンガーはそれをかわす。かわすと共に隙を狙っていた。
「まだだ」
彼はトウマの攻撃をかわしながら呟く。
「まだその時ではない。まだ」
「がああああああああああああっ!」
隙を窺うその間もトウマの攻撃は続く。まさに獣そのものの攻撃だった。
「トウマ!その心を鎮める為に」
ゼンガーはその彼に対して言うのだった。
「今ここに!」
隙が見えた。今だった。
「我が剣を示そう。チェストーーーーーーーーーーッ!」
示現流が炸裂した。雷鳳を一閃した。
「!!」
「どうなった!」
皆雷鳳が動きを止めたのを見た。その直後だった。
爆発が一度起こった。そうして雷鳳はその中で崩れ落ちたのだった。
「トウマ!」
「トウマさん!」
皆トウマを気遣い雷鳳に駆け寄る。ゼンガーはその彼等に対して静かに告げた。
「心配無用だ。急所は外した」
「けれど」
「トウマさんは」
「気を失っているだけだ」
ゼンガーはまた彼等に告げた。
「気にすることはない。わかったな」
「そうですか」
「だったらいいですけれど」
「すぐに医務室に連れて行こう」
レーツェルが述べてきた。
「何はともあれ手当てが必要だ」
「ええ」
「それじゃあ」
トウマはすぐに大空魔竜の医務室に運ばれた。サコン達がその手当てにあたることとなった。その中でミナキは自身の父について聞かされていた。
「じゃあお父様は」
「そうよ。自分の研究を認めさせる為にね」
ミサトが説明していた。
「それはさっき話したわよね」
「はい」
ミサトの言葉にこくりと頷く。
「それでシステムLIOHを」
「システムLIOHは確かに強力よ」
リツコが答えた。
「けれどあれはあってはならないシステムなのよ」
「赤木博士」
そこにレインが来た。
「レインちゃん、わかった?」
「はい、システムLIOHは予想以上に危険です」
答えるレインの顔が強張っている。それが何よりの証拠であった。
「システムLIOHは使う人間を常に死と隣り合わせの危険な状態に置きます」
「死と・・・・・・」
死と聞いてミナキの顔が蒼白になった。
「そうして次第に使う人間を追い詰めていき」
「それでどうなるの?」
問うミサトの顔も強張っていた。
「聞
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