第十話 内なる修羅
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いるのだ。
「このままだと」
「早く何とかしないと」
ミナキはここでようやく悟った。システムLIOHの危険さと今まで自分がしてきたことを。
「さもないとトウマが」
「落ち着きなさい」
ミサトが忠告する。
「けれど」
「落ち着きなさいって言っているのよ!」
ミサトはまたしても激しい声をあげた。
「今ここで貴女が騒いでも何にもならないわ」
「はい・・・・・・」
「ゼンガーさんに任せなさい」
強い声のままミナキに告げる。
「いいわね、それで」
「それしかないですか」
「ええ、ないわ」
ミサトはまた告げた。
「わかったらそこで見ておくの。いいわね」
「わかりました」
ミナキは俯いて答えた。そう答えるしかなかった。
「今ここで」
「ゼンガーさんを信じるのよ」
リツコは穏やかな声を出した。
「あの人ならきっと」
「はい」
ミナキは俯いたままリツコのその言葉に頷くのだった。
「信じます。ゼンガーさんを」
モニターではトウマが異常なまでに激しい攻撃をゼンガーに浴びせている。その周りではスティング達が戸惑いながら展開していた。
「どうしちゃったんだよトウマさん!」
「返事しろよおい!」
スティングとアウルが必死にトウマに呼び掛ける。しかし返答はない。
「駄目だ、返答がない」
「いかれたな、絶対に」
「おい、三人共!」
そこにシンが飛んで来た。文字通り。
「そこにいたら危ないだろ!ステラ!」
「う、うん」
シンはすぐにステラの前まで来た。彼女を庇っているのは明らかだった。
「ここいるな!早く安全な場所に!」
「わかったわ。それじゃあ」
「君に何かあったら俺が」
「おい、ちょっと待てよ」
「そうだよ」
そんな彼を見てスティングとアウルが突っ込みを入れた。
「俺達はいいのかよ」
「幾ら何でもそれはないんじゃないのか?」
「あっ、御免」
二人に言われてやっと自分でも気付く。
「忘れてた。御前等もいたんだな」
「いるよ」
「一緒にな」
「じゃあ安全な場所に」
シンは今更のように二人にも声をかける。
「わかってるさ」
「全く。まずはステラからかよ」
「いいだろ、別に」
シンも開き直ってきた。
「俺はステラの為に戦ってるんだからな」
「あとマユちゃんの為だよな」
「ったく、もてる男は羨ましいよ」
「俺は別にもてては」
「ステラ、シン好き」
その後ろからステラが言わなくていいことを言う。
「だから一緒に」
「あ、ああ」
「ほら、やっぱりな」
「お熱いこって」
「だから俺は!」
シンもムキになって反論する。
「別にその、ステラは」
「いいからシン」
見るに見かねたアスランが後ろから声をかける。
「ここは早く行け」
「おっと、そうか」
アスランに言
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